学ぶとは、マネることである。

【塾講師の裏話】第9回 あなたの講師選びは間違っている?生徒にとって本当に良い講師の条件とは

      2020/02/03

一流の講師を揃えているというが…

子どもを塾に通わせている親御さんのなかには「うちの子の担当講師は一流の○○大の学生だから安心」と思っている方もいるでしょう。塾の宣伝文句に「当塾の講師は全員一流大卒・もしくは在学中」とうたっているところも見かけますね。ですが、残念ながら、一流大に在籍しているから・あるいは卒業したから皆教え方がうまい、とは限らないのです。

一流大学に合格した人は、その入試をクリアできる力があったことは間違いありません。しかし、その人の教え方がうまいかといえば、それはまた別な話です。むしろその人自身が非常に優秀な人で、勉強には苦労したことがなく、“できない子”の気持ちがまったく理解できない、という場合もあります。

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頭がよければそれでいいのか

かつて知り合った有名大出身者のなかには「頭の出来が普通の人とは違う…」としか思えない人が結構いました。「本をさっと一度読めばぜんぶ覚えてしまう」「集中力が半端ない」などなど…。そういう人からすると、英単語を何度書いても覚えられない子の気持ちなど、なかなか想像できないのです。そういう人は生徒に「こんなのもわからないの?」と不用意に口にして、傷つけてしまう場合もあります。しかもそれが悪気ではなく、心底驚いて思わず発した言葉だったりするのです。

ある程度成績がよくて自分で努力できる生徒さんなら、一流大学出身の講師に、答えや解き方のヒントだけ教われば十分でしょう。でも、勉強の「仕方」がわからない子には、そうした“ハイスペック”の講師でも対処できない場合が多いのです。

勉強ができることと、教え方がうまいことは違う

英会話でもそうです。ネイティブスピーカーは英語を話すのに苦労はしないでしょうが、うまく教えられるかといったらどうでしょう?ちなみに私は以前、ある外国人に「私は」と「私が」の違いを教えろと言われて、「ん~」と言葉につまりました。でも「私はKanaです」と「私がKanaです」のニュアンスの違いはちゃんとわかります。「わかる」ことと、「教える」ことは、別次元ということ。教えるためには、やはりそれ相応のスキルが必要なのです。

そのスキルの有無を確かめるには、自分が日ごろ疑問に思っていることを何かひとつ、講師に質問してみてください。「seeとlookはどう違うのですか?」「過去分詞ってどういうものですか?過去形と何が違うのですか」など、何でもかまいません。あなたにわかる言葉で答えてくれたなら大丈夫。ただ、もしそれが難しい質問だと、即座に答えられない場合もあるでしょう。しかし誠実な講師なら、後日きちんと調べてきてくれるはずです。

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なりたい自分の姿に、すでに“なった”人に教えを乞う

さらにもうひとつ。誰かに教えてもらおうとするときは、「今の自分の状況」から「なりたい自分の姿」を達成した人に習うのがいい、と私は思います。たとえば「英語が苦手だけど克服して〇〇大学に合格したい」とか「どうしても英検1級に受かりたい」なら、そういう課題をクリアした人に習うのがいいでしょう。どうやって単語を覚えたのか。どんな参考書を使ったか。出題傾向はどのようなものか。試験当日はどんなことに気をつけたのか。…聞きたいことは山ほどあるのではないでしょうか。

○○山に登りたい、という人は、○○山に登った経験を持つ人にガイドしてもらいますよね。それと同じことです。それが困難な道であればあるほど、実際にその道を通った人にガイドしてもらうのが安心なはずです。

そう考えれば、「日本人だけど英語をわかるようになりたい」なら、日本人に習うほうが早道という場合もあるかもしれません。外国語学習の世界では、“ネイティブスピーカー信仰”が根強いですが、それが必ず正解かどうか…。英会話スクール選びで、“当校の講師はネイティブスピーカーのみ”という宣伝文句だけを決め手にしていませんか?高額な授業料を払う前に、いちど立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

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