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語学用リスニングプレーヤーの比較!観点②:リピーティング・シャドーイング向け機能

      2020/09/16

もくじ

観点②:リピーティング・シャドーイング向けの機能

リピーティングは、CDから聞こえてくる音声を停止したあとに復唱する学習方法です。対して、シャドーイングとは、CDから聞こえてくる音声をほぼ同時に真似して発音する学習方法です。

どちらも「リスニング能力・スピーキング能力の向上」「発音の改善」という効果が期待できる勉強法です

両製品ともこれらの学習法の効果・効率を向上するための機能が備わっていますが、着眼点が大きく異なっています。

語学学習機『SL-ES1』

語学学習機『SL-ES1』は「発音の力を延ばす」ことに重点を置いています。

そのため、自分の発音を一度「録音」したうえで、お手本の音声と自分の発音をオフラインで比較して発音を改善していくというアプローチを取っています。発音比較の機能として「リピーティング録音」「シャドーイング録音」を搭載しています。

リピーティング録音、シャドーイング録音ともに「お手本と自分の発音を素早く比較する」ための機能です。全く同じ作業を従来の機器、例えばCDプレーヤーとボイスレコーダーの組み合わせで行おうとすると、意外と面倒…ということに気づくはずです。

再生のCDプレーヤーと録音のボイスレコーダーの二つの機器を同時に操作しなければいけませんし、録音後の比較では、CDプレーヤー側はCDトラックのどのあたりを再生したのか分からなくなるなど、お手本と自分の発音を比較するための手順が煩雑です。

この点、Panasonic『SL-ES1』では、一つの機器のシンプルな操作でリピーティング音声の録音とシャドーイング音声の録音が可能です。また、A-Bリピート設定を利用すれば、CDトラックの一部分の発音比較が簡単に行えます。

●実際の使用イメージはSL-ES1のプロモーション動画がわかりやすいです(外部サイト)
https://panasonic.jp/language_study/products/sl_es1.html#recording

語学専用プレーヤー『まねっこ倶楽部』

リピーティング:

語学学習CDの「リピーティングしづらさ」「素材を用意する面倒臭さ」を改善することに重点を置き、「ポーズ再生機能」という特殊な再生機能を搭載しています。

リピーティングを普通のCDプレーヤーで行うためには、以下のようにあらかじめ「ポーズ区間(無音)」を挿入した音声を使用します。

It was just a quarter before twelve o’clock (…ポーズ…) when we got into the churchyard over the low wall. (…ポーズ…)The night was dark with occasional gleams of moonlight(…ポーズ…) between the rents of the heavy clouds (…ポーズ…)that scudded across the sky.

リピーティングをテーマにした参考書についているCDでは、上記のように「ポーズ」があらかじめ挿入された音声が収録されています。

このようなCDを使ってリピーティングは可能なのですが、例えば自分の好きな参考書のCDを使ってリピーティングをしたい場合、どうすればよいのでしょうか?

ほとんどの語学学習CDは、ポーズが挿入されていない音源です。プレーヤーの一時停止ボタンを使って手で再生を止める方法もありますが、これは面倒ですし、何よりキリの良いタイミングでボタンを押すのが大変です。

一つの解決策としては、森沢良介著『みるみる英語力がアップする音読パッケージ』にあるように、ダブルカセットテープレコーダーで音声録音を編集することで、自力で「ポーズ区間」を挿入するという方法があります。

●森沢良介氏のホームページ「英語上達完全マップ」のQ&Aが参考になります。
http://mutuno.o.oo7.jp/10_QA/10_QA.html(外部サイト)

※ちなみに私自身はダブルカセットテープレコーダーではなく、PCの音源編集ソフトを使用して上記の処理を施した素材を用意し、リピーティングをしていました。

これは一度やってみるとわかりますが、素材を自作すること自体も「骨が折れる作業」です。ダブルカセットテープレコーダーはもちろん、PCの音源編集ソフトを使ってもかなりの時間がかかります。

『まねっこ倶楽部』ではこの問題を解決するために「ポーズ再生機能」という特殊機能を実装しています。これは、あらかじめ指定した位置(ブックマーク)まで再生されたら、自動的にプレーヤーが「ポーズ状態」になる、という機能です。

ポーズ再生機能を使って任意の箇所にポーズを入れられる

この機能により、あらかじめ「ポーズ区間」が取られていない音源でも、最初からポーズが挿入されているCDと全く同じことができるようになっているのです。(リピーティング用の音声素材を自作しなくてよい…!)

つまり、いかなる語学学習CDでも、簡単にリピーティング用音源に変身してしまう…という画期的な機能になっています。

シャドーイング:

シャドーイングもリピーティングと同様に、語学学習CDの「シャドーイングしづらさ」を改善することを主眼としてます。

加えて、「シャドーイングの負荷を調整する」ことを重視しています。これには前述の「ポーズ再生機能」と「音声速度変換機能」「A-B区間リスト機能」が有効です。

一般にシャドーイングがやりにくい要因として、「お手本の速度が速すぎる」や「モデルとする素材の再生時間が長い」という点があります。

シャドーイングをテーマにした参考書のCDでは、たいてい、通常スピードと音声速度を落とした音声を両方収録しています。しかし、再生速度の倍率は当然、録音で決められた固定速度となります(0.7倍速前後の音声を収録していることが多い)。

「まねっこ倶楽部」の場合は、二つの方法で音声の再生速度を落とすことができます。

①音声速度変換機能

音声処理技術で音程を変えずに音声の速度を0.2~2.0倍速の間(0.1刻み)で細かく調整できます。

※音程を変えずに、というのはレコードの早回し・遅回しのようにおかしな声にならない、ということです。

②ポーズ再生機能の自動再開モード

音声自体の速度を落とすことなく全体の再生時間を長くできます。

元の音声:
It It was just a quarter before twelve o’clock when we got into the churchyard over the low wall. The night was dark with occasional gleams of moonlight between the rents of the heavy clouds that scudded across the sky. (15秒で完了)
音声速度変換の場合:
例えば0.5倍速にすると、文全体で一様に「遅く」発音したように聞こえます。
It It was just a quarter before twelve o’clock when we got into the churchyard over the low wall.(…途中略…)that scudded across the sky.(30秒で完了)
ポーズ再生機能の場合:
それぞれの英文の発音速度は同じですが、ポーズがある分、全体の再生時間が伸びます。
It It was just a quarter before twelve o’clock (…ポーズ…) when we got into the churchyard over the low wall. (…ポーズ…)The night was dark with occasional gleams of moonlight(…ポーズ…) between the rents of the heavy clouds (…ポーズ…)that scudded across the sky. (30秒で完了)

シャドーイングでは慣れていない音源だと「モデル音声について行けずに音声が流れて行ってしまう」という経験を良くしますが、ポーズ再生機能(自動再開モード)を使用すれば「モデル音声がポーズしている間に追いつく」ことができるようになります。
※ポーズの長さはリピーティングほど長くする必要はありません(設定で調整可能)

また「A-B区間指定」機能により、任意の区間を「目で見て」素早く指定できるようになっています。

A-B区間を「目で見て」指定できる

シャドーイング初心者はまず、文単位の短い区間をA-B区間指定してシャドーイングできるようになりましょう。徐々に再生区間を長くしていき(同時に再生速度を戻したりポーズを短くしたりする)負荷を高め、最終的にスクリプト全文をシャドーイングできるように負荷調整することが可能です。

まとめ

  • 語学学習機『SL-ES1』は、発音比較のための機能として、リピーティング録音・シャドーイング録音機能を搭載している。従来の機器では二つの機器が必要なところを一つの機器で実行できるようにしてある。
  • 語学専用プレーヤー『まねっこ倶楽部』では、音声速度変換機能、ポーズ再生機能、A-B区間指定機能で、リピーティングとシャドーイングの「やりずらさ」「素材を用意することの面倒臭さ」「負荷調整」の問題を解決している。

観点③:発音を改善するための機能

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