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【比較レビュー】 速読速聴・英単語シリーズの中級編『Core 1900』と『Opinion 1100』の違いとは?

      2018/12/11

『速読速聴・英単語 Core1900』と『Opinion 1100』はいずれも語彙力養成に関して文脈主義をうたうZ会の書籍です。『速読速聴・英単語』シリーズは本サイトでも(特にライターの私が、笑)、Z会の回し者の如く強力におススメしているシリーズですが、この2冊はいずれも単語レベルは同程度でTOEICスコア600~800を目指す方用の本です。

速読速聴・英単語 Core1900 ver.5 速読速聴・英単語 Opinion1100 ver.2 (速読速聴・英単語シリーズ)

この記事では、両書籍の共通点と異なる点、そして効果的と思われる使い方をご紹介します。

『Core 1900』と『Opinion 1100』の共通点

共通点としてまずお話ししたいのは、この2冊に収録されているレベルの語彙のマスター及び収録されている英文をスラスラ読むことができるレベルというのは、社会人が英語をビジネスで使いたいという場合やTIMEなどの本格的な英字誌や英字新聞を読みたいという人にとって必須事項であるということです。

いずれの書籍もそのための最低ラインを提示していますので、どちらか1冊でも完璧にマスターすれば少なくとも本格的な英字新聞やレポートを読んでも全く手も足も出ないということはないでしょう。

次にいずれも収録英文のテーマを人文科学から経済分野、理系の医学分野まで広く収録しており、英文を読み込むことである程度時事的な問題や最先端の社会現象の知識を身に付けられるという点があります。

日本語で新聞や雑誌を読む場合もそうですが、ある程度格調高い新聞などの場合はバックグランドの知識がないと記事を読んでも何を言わんとしているのかよく分からないということが起こり得ます。英語であればなおさらです。広く浅くではありますが、収録英文を内容に興味を持って読み込むことを通じてこのようなことをできる限り回避することができます。

最後に、これは速読速聴・英単語シリーズの他の書籍でも共通ですが、英文を読みながら単語や熟語を覚える、いわゆる文脈主義の代表的な教材であることです。

文脈主義で単語・熟語を覚えることのメリットや音読・シャドーイングの効用は他の記事で何度も何度もお話ししていますから省略しますが、英文の音読やシャドーイングを行いながら単語・熟語を覚えていくと、単に単語力の増強だけではなく、頭の中で日本語に変換しない直読直解で英文を読みこなすことや英作文やリスニングの実力も同時に養成することが可能です。

いずれの本もこのような勉強を進めやすい構成、というよりもむしろそれを推奨している構成になっています。

『Core 1900』と『Opinion 1100』の異なる点

学習者としての立場からみると、まず大きく異なる点は収録英文の長さです。

『Core 1900』は1つの英文がおおよそ100~150語程度の長さであるのに対し、『Opinion 1100』はPart1の日常生活は『Core 1900』と同じ程度の長さですが、本番であるPart2は500~700語程度の英文が中心となっておりそれなりの長さになっています。

100~150語程度の英文が中心の『Core 1900』
速読速聴CORE_01 速読速聴CORE_02
松本 茂『速読速聴・英単語 Core 1900』
500~700語程度の英文が中心の『Opinion 1100』
※下の画像は旧版の1400から。この長さの英文が数ページに渡っています。
速読速聴英単語OPINION_1 速読速聴英単語OPINION_2
松本 茂『速読速聴・英単語 Opinion 1400』

そのため『Core 1900』はある程度の長さの英文、例えばTOEICのPart7程度の長さのものを読むことに慣れていない人ですと、やや全体の論旨の把握が難しいと感じることが多くなるでしょう。

次に、これが最も異なる点ですがこの2冊の性格を大雑把に言うと、『Core 1900』は英文を読みこなす基礎力をつけるための本で、『Opinion 1100』は英語力を本格的に使うためのトレーニングをするための本であると言えます。

スポーツで例えるなら、『Core 1900』は走り込みやバットの素振りなどの基礎体力・基本動作を習得するための本、『Opinion 1100』は試合を想定したフォーメーション練習や練習試合のように基礎体力や基本動作を組み合わせて実践的な練習をするための本と言えます。

『Core 1900』の英文があるテーマに対する英文記事の単なる抜粋であるのに対し、『Opinion 1100』のPart2では、導入である1つのテーマの概略を説明し、論題でより詳しい問題の背景やデータの説明、その後肯定意見・否定(反対)意見の例文紹介となっています。

この構成は英語に力を入れている大学のいくつかで行われているディベートや模擬討論と同様の構成です。

ある問題に対して(本人がどう考えているかは関係なく)、あなたは肯定派、あなたは否定派としますのでそれぞれ英語で意見を述べてください、または討論してくださいと言われる形式の授業やゼミですね。

英語のディベートクラスではこのように立場を決めて、ある問題に対する考えを英語でまとめる練習を徹底的にするわけです。

『Opinion 1100』はこのような講義を模擬的に体験できる構成になっていますから、単に単語・熟語を覚えるための本として利用するのはもったいない、より深く英語での表現方法や意見を述べるための構成を学ぶための本として使い、単語・熟語はその一環として覚えるという考え方で使っていただきたい本です。

2冊を併用することでより高い実力を身に付けるための使い方の一例

個別の具体的な勉強の方法は『Core 1900』と『Opinion 1100』をそれぞれ紹介した記事や勉強方法の記事に譲り、ここではこの2冊のより効果的な併用方法をお話しします。

私の考え方ですが、この2冊であればまずは『Core 1900』から始めるのが良いと思います。先にお話しした収録英文の長さの観点から言っても、より英文1つあたりの長さが短い『Core 1900』からマスターする方が挫折の可能性もぐっと低くなります。

いずれの本も収録単語のレベルは同程度ですから、まずは『Core 1900』を徹底的にマスターして語彙力・英文読解力・リスニングなどの基礎力を身に付けるわけです。

その後に本格的に英語を使うためのより実践的な練習として、『Opinion 1100』に取り掛かります。『Opinion 1100』でも使い方の基本は英文を読み音読を繰り返すのですが、それとあわせてパラグラフリーディングの練習材料として使ってみることも行います。

具体的にはPart2の論題・肯定・否定のそれぞれについて英語で100語程度の長さの要約文を作り、しっかりと英文が全体として何を言いたいのかという論旨をつかめていたか確認するのと同時に英語で考えをまとめる基礎訓練を行います。

もっと余裕があれば、肯定・否定のいずれかの立場から、本文に収録されている英文とは違った角度で英文を書いてみることも良いでしょう。これは添削してくれる先生がいるか、もしくはご自身と同じかやや高いレベルの学習仲間がいるとより良い方法になります。

同時に『Opinion 1100』を使い、それぞれのテーマを題材に英文を見せ合って簡易的にディベートを行うわけですね。あまりディベートにハマりすぎると英語自体の勉強がおろそかになる方もいますからハマりこみ過ぎは良くありませんが、一つの可能性としてこういう使い方も『Opinion 1100』は秘めています。

いずれの本も良書ですからお好きな順番でも良いとは思いますが、私の考える効果的な併用方法をお話ししました。

まとめ

  • 『Core 1900』と『Opinion 1100』はいずれも文脈主義で語彙力増強を目指す代表的な書籍。
  • 大雑把に言うと『Core 1900』は英語の基礎トレーニングのための本、『Opinion 1100』はより実践的なトレーニングのための本。
  • 併用する順番は『Core 1900』をマスターしてから『Opinion 1100』に取り掛かるのがおススメ。
  • 『Opinion 1100』は工夫次第で使い方の幅が広がり、より実践的に英語を使うための訓練もできる。
●編集長からひとこと
どちらの本にもCDが付いていますので、音声素材を使った学習が可能です。レビューアは簡単に「シャドーイングを…」といいますがリスニング力が低い段階では少し難しい学習法ですね。もしシャドーイングが難しいなら、音読と通常のリスニングだけでも十分ですよ?
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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