学ぶとは、マネることである。

英語講師・Kanaが教える『英語学習における効果的な辞書の使い方について』

   

英語学習に辞書は欠かせない

英語の辞書を持っていますか?塾で中学生に聞くと、「持っていない」という子が多くいます。教科書の後ろに単語の意味が一覧で載っているし、学校で配られる単語プリントや教科書ガイドもあるからいらない、といいます。

たしかに、ふだんの予習・復習や、学校での定期テストレベルならそれで対応可能でしょう。しかしきちんと英語の力をつけたいと思うなら、やはり辞書は欠かせない、と私は考えます。英語の単語は、日本語と単純に“1対1”で訳せるわけではないからです。

たとえば「take」という単語は、「取る」「連れていく」「乗る」などたくさんの訳ができますし、前置詞や副詞とのコンビネーションでさらに多くの意味を表します。また、「see」「look」「watch」は、日本語だとすべて「見る」と訳されることが多いですが、英語ではそれぞれの単語に明確な違いがあります。そういったことを知るには、やはり辞書が必要になってくるわけですね。

単語の持つコアイメージをつかまなければ、適切な訳をするのが難しくなります。教科書や、参考書の解答に載っているひとつの訳だけ見たとしても、その単語が本来持つ意味やニュアンスを十分に知ることはできないのです。英語学習をがんばりたいなら、最低限、英和辞典は準備してください。和英辞典も、アウトプットに欠かせませんのでできれば一緒に揃えましょう。

辞書を選ぶポイントは?

では、どのように辞書を選んだらよいのか、そのポイントについて考えてみます。紙の辞書、電子辞書、それにスマホのアプリもありますね。

持ち運びや引きやすさ、音声機能を考えれば、電子辞書かスマホアプリが便利でしょう。ただ、紙の辞書にも捨てがたい魅力はあります。バッテリーも不要ですし、ページ全体をざっと見渡せることや、手軽に書き込みができることもメリットです。とくに最近の中学生用辞書は、図解や説明が充実し、見やすくわかりやすいものになっています。参考書として使っても役に立ち、ぺらぺら適当にめくって拾い読みするのも楽しいです。電子辞書と併用もいいかもしれません。

なかには“あんまり使わないし、買うと高いから、家族や知り合いのお下がりでいいや”と思っている人もいるでしょう。しかし、あまりにも古いものはおすすめできません。親のお下がりをもらって使っている、という子の辞書に、「Internet(インターネット)」や「cell phone(携帯電話)」が載っていない、というケースもありました。さらに、同じ語でも時代によって意味が変わっていることもあるので、注意が必要です。

また、中学生などビギナー向けと、大学入試まで対応する高校生用辞書とでは、収録語数や説明の詳しさが違います。レベルが高すぎると語数が多くて引きにくく不便ですし、説明も難解です。複数の辞書で、何かひとつ単語を調べて比べてみるとよいでしょう。辞書によって、説明の内容やページレイアウトはずいぶん異なります。必ず、実際に使い勝手を確かめてみてください。

辞書を使いこなせば英語力アップ

辞書には単語の情報がぎっしり詰まっています。訳だけでなく、用例や解説のほか、語源やイディオムもチェックできます。せっかく辞書を引くなら、そうした周辺情報を読んでおいて損はありません。上級者になるほど、実は辞書を注意深く読んでいるものです。

英語を英語で説明する「英英辞典」も、スキルが上がってくるとよく使われます。英英辞典には学習者向けとネイティブスピーカー向けがありますので、学習者向けを選びましょう。やさしいものなら英検準2級くらいの学習者でも読めます。

英語を英語で説明してある文は、読んでみると意外に面白いです。以前、「説明の英文を読んで何という単語なのか当てる」というクイズを、塾の授業中にやったことがあります。けっこう盛り上がりました!読み物として使うというのも、ユニークな利用法ではないでしょうか。

辞書は、疑問を解決し、知恵を授けてくれる頼れるパートナーです。辞書の必要性や使い勝手を考えるようになったなら、力がついてきている、という証拠。ぜひ自分にあった使いやすいものを選んでみてください。

Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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