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【レビュー】即戦力がつくビジネス英会話 2:ビジネス会話で使用されがちなイディオムを習得してややくだけたビジネスシーンの英会話を学ぶ

   

『即戦力がつく ビジネス英会話 2』は、会社内部などのややくだけたビジネスシーンを想定して英会話例を収録、特有の表現と話のつなげ方などを学ぶための英会話教材です。

CD付 即戦力がつくビジネス英会話2

同じシリーズで『即戦力がつく ビジネス英会話 基本から応用まで』も発行されており、こちらはフォーマルなビジネスミーティングを題材とした学習書となっており、差別化されています。

難単語ではなく実用的なイディオムを数多く収録

収録されている英文の最大の特徴は、難しい単語ではなくイディオムを重点的に学習することに主眼を置いていることです。英会話では単語力があることはもちろんですが、それ以前に英語特有の言い回しであるイディオムで会話をスムーズにつないでいくことが必要とされます。

英会話ではイディオムで会話をつなげることが必要
日向 清人『即戦力がつく ビジネス英会話 2』

TOEICや英検などのリスニング問題で英文の読み上げを聞いて答える問題はできるけれど、会話を聞いて答えるTOEICリスニングセクションPart3のような問題は苦手だという方も多いでしょうから、日常のビジネスシーンで頻出するイディオムを意識的に学習することは単語の勉強と同様に大切なことでしょう。

日常のビジネスシーンで頻出するイディオムを重視
日向 清人『即戦力がつく ビジネス英会話 2』

英会話教材としては非常に詳しい解説が収録されている

同様にビジネスシーンでの英会話を扱った類書はたくさんあるのですが、共通する特徴として「解説がさほど詳しくない」ということが挙げられます。

文法知識は微妙なニュアンスについてはあっさりとした解説にとどまるか、もしくは全く解説がなく意味を提示するだけにとどまり、より多くの英会話例を収録することを優先させた本が多いのです。

もちろんこういった本にも『NHKラジオ ビジネス英会話 高橋修三ヘッドハントされる』などの良書はたくさんあるのですが、実力不足のうちに使い始めると挫折しやすい構成という欠点も持っています。

英会話だからと言って英字新聞等の長文読解に比べて簡単だということはありません。たとえば会話だからよりニュアンスに注意しなければならないなどの、質の違う難しさがあります。

英会話教材としては珍しく、下の画像のように解説に多くの紙面が割かれていますから、より理解が深まりやすい構成と言えるでしょう。

英会話本でありながら文法解説が詳しく、中級者にとっては理解しやすい
日向 清人『即戦力がつく ビジネス英会話 2』

クリアかつ標準的な速度で収録したリスニングCDが付属

CDにはメインの会話文、イディオム解説ページ「FOCUS ON IDIOMS」に掲載している英文の発音を収録しています。

標準的な英会話CDによくある約140語/分の速度で録音されています。非常にクリアな発音かつ比較的平易な会話文なので、ある程度レベルの英会話用音源に慣れている方であれば、知らないイディオムの箇所以外は聞き取りにさほど困難を感じることはないでしょう。

日向 清人『即戦力がつく ビジネス英会話 2』付属CD(2枚組)

イディオムの聞き取りに自信がない場合は、先にイディオムの解説ページを読んでからリスニングに取り組むことをお薦めします。

また、「CHECK UP」のページで穴埋めディクテーションにチャレンジしてもよいですし、通常のリスニングまたはシャドーイングの使用にも適しています。

ある程度語彙力がついた段階で使うべき

同じ英会話系の学習書でこれまでご紹介した『NHKラジオ ビジネス英会話 高橋修三ヘッドハントされる』と比較すると、収録英会話のレベルは高くはありません。

NHKラジオビジネス英会話 高橋修三ヘッドハントされる (NHK CDブック)

また、解説に多くの紙面を割いている都合上、収録英文自体の量はさほど多いわけではありません。

イディオムの習得に重点を置いており英単語の解説はあまり詳しくありませんので、使いこなすにはやはりそれなりのレベルが必要です。大まかなレベルはTOEICで言うとスコア650~程度からが良いでしょう。

語彙力に不足があると感じるならば、ビジネス英語で使われる語彙も出てくるのでZ会の『速読速聴・英単語 Business 1200』と同時に学習を進めれば、よりマスターが早くなるものと考えられます。
速読速聴・英単語 Business 1200

本書をマスターした後は、より難しく解説のあっさりした英会話教材にステップアップしても問題のなくなるレベルに到達できるでしょう。

まとめ

  • 英会話におけるイディオムの習得に重点を置いた英会話教材。
  • 英会話教材としては非常に解説が充実しており理解しやすい構成。
  • TOEIC650程度の語彙力がついた段階で使うべき。
  • 他のビジネスシーンに特化した単語集やリーディング教材と併用することで相乗効果が見込める。
●編集長からひとこと
イディオム本としてとらえた場合、この本は会話の流れに沿って1スキット10前後~15前後のイディオム(+英会話)が覚えられるので効率がとてもよいですね。ざっと400個ほどのイディオムが収録されています。「はじめに」のページで述べられているように、よくある例文暗記型のイディオム本だと実際にどのような局面で使えるイディオムなのかわかりにくいんですよね。語源を知らなければ理解しにくい上級イディオム(『魔法のイディオム』に収録されているようなもの)ではなく、語源が関係ない実用的な初級~中級イディオムが中心です。大学受験レベルの『DUO 3.0』や『速読英熟語』を終えたあたりで取り組むことを推奨したいです。
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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