学ぶとは、マネることである。

英語講師・Kanaの『英語の先生が考える洋書を読む時期、本の選び方、読み方について』

      2018/05/24

“洋書を読める人”のイメージとは?

以前、病院の待合室でペーパーバック(廉価版の洋書)を読んでいたとき、隣に座った人から突然「英語読めるんですか、すごいですね」と言われて驚いたことがあります。実は軽い読み物的なもので、単語レベルも中学英語に毛が生えた程度だったのですが…。

洋書を読むには、かなりの英語スキルがないと無理、というのが一般的なイメージかもしれませんね。しかし、実際にはそんなことはありません。英検3~4級程度のビギナーからでも、洋書を楽しむことは可能です。ぜひ気軽にトライしてみてください。

レベルにあわせた本選びを

洋書の導入段階におすすめなのは、ラダーシリーズやペンギンリーダースなどの多読入門用シリーズです。これらのシリーズは、レベル別に語彙数を制限し、やさしい言葉で書いてありますので、辞書をいちいち引かずとも読めるようになっています。なじみのある物語や映画、有名人のストーリーなどを扱っていて、内容に関してある程度察しがつくのもよい点です。短くコンパクトにまとめてあり、本自体も薄いので、読み切った達成感も味わうことができます。

初めて取り組むなら、「簡単すぎるかな?」と思うくらいのものを選んでください。具体的には、実際にページをめくってみて、ほとんどの単語に見覚えがある、くらいのレベルがよいでしょう。

ペーパーバックや英字新聞はハードルが高い

こうした入門シリーズではなく、いきなりペーパーバックに挑む人も意外といるようですが、実際のところ、これはなかなか大変です。たとえば「ハリー・ポッターなら子供向けだから読めるかも…」などと思ったら大間違い。途中で挫折した人も多いのではないでしょうか?このシリーズは、なじみのない固有名詞や造語をはじめ、背景知識なしでは理解できない言葉遊びだらけです。DVDを何度も見ていてほぼ中身を覚えている、というような人を除けば、少なくとも英検準1級程度の力がないと厳しいでしょう。

ハリー・ポッターに限らず、人気映画の原作本などを読みたい気持ちはわかりますが、中級者以下は、前述の初心者向けシリーズから始めるのが無難。そして少しずつ難度を上げていきましょう。そのほうが、やがてさまざまな作品を無理なく楽しめるようになります。

では英字新聞はどうでしょうか。新聞は最新のニュースを取り上げていますので、旬の話題に関する単語が学べるのも利点です。ただ、学習のためにと読み始めたものの続かない…というのは「英語学習あるある」かもしれませんね。これも、日刊ではなく学習者向けの週刊タイプのものにするとか、楽に読める量・難易度のものを選ぶのがコツです。いきなり政治・経済などの長文記事にチャレンジするより、テレビ欄や天気予報欄などから慣れていく、というのも一案です。

辞書を引きながら読むのはダメ?

よく、辞書を引かずにひたすら読めということも聞きますが、これはケースバイケースだと私は考えます。自分の読みのスピードやリズムに応じて、臨機応変に考えればよいのではないでしょうか。

大切なのは、読もうとする気持ちを萎えさせないということです。辞書引きばかりでちっとも進まないのでは、途中で嫌になってしまいます。かといって分からない言葉ばかりでは面白さを感じられませんね。こちらも嫌になってしまえば同じこと。必要に応じて辞書を引いてもかまいませんが、できれば辞書に頼らなくてもすむように、やさしいものや対訳式の本を選ぶのがセオリーです。対訳式なら、少し難しい語彙や構文が出てきても訳を参照できますので、ストレスが少ないです。

もしマンガ好きなら、英訳された日本のマンガはいかがでしょうか。これならストーリーを理解しやすいです。最近は英語版コミックを置いている書店も多くなりましたね。

図書館などをうまく利用しよう

ただ、洋書は購入するとなると思ったより値が張ります。ブックオフなどの古書店を利用するのもいいですが、私のおすすめは図書館です。ペーパーバックだけでなく、絵本や事典類もあったりして、ビギナーからでも楽しめます。私はついでに翻訳版も一緒に借りたりしました。自分の訳と、翻訳文とを比べてみるのも勉強になりますよ。

いずれにせよ、「難しそう…」と敬遠せず、まずは簡単そうなもの、とっつきやすいところから試してみることです。勉強のために…というより、楽しむために読む。そんなふうに考えたほうが、きっと長続きすることでしょう。

●編集長からひとこと
洋書を入手するもう一つのおすすめの方法はスマホアプリ「Kindle」です。書店で買うよりもかなり安いですし、Kindle Unlimitedを契約していれば図書館ライクに10冊まで借りて読むことができます。スマホで本を読むメリットは「どこでも読むことができる(※隠れキリシタンのようにこっそり洋書を読めます(笑))」「タップ一発で辞書引きできる」「PC版Kindleでも同じ本が読める」「エッチな小説でも買いやすい」ということですが、逆に発光している画面で読むため目が疲れやすかったり、文字が小さくて見にくいと感じることもあるかもしれません。私自身はKindle派です…!(英語に限らず)参考書や専門書なら書き込み易い紙の本が好きですね。
Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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