学ぶとは、マネることである。

元・上智大生 さかえの『英語ニュース音声を高い精度で聴き取るための英語学習法』

      2018/05/04

英語学習者の皆様は、さまざまな媒体に触れながらリスニングやスピーキング、リーディング、ライティングの練習をしておられることと思います。この記事では、私の行った英語ニュースを聴き取るための学習方法をご紹介します。

基本は「音読・シャドーイング」

これまでに私の記事をお読みくださった方は「またか」と思われるかもしれませんが、私は英語の最高の勉強法は音読とシャドーイングであると考えています。

英語ニュースを聴き取るためにおいても、基礎体力ともいえる語彙力は欠かせません。
音読やシャドーイングを多く行うことで語彙力はつきますし、また自分が声に出した英語を自分で聴くことにもなりますから、自然と耳が英語に慣れてきます。

実際に大学受験のセンター試験においては、私は特段リスニング練習をしていなかったのですが、リスニングも含めて満点を取っています。

また、大学に入学して留学生とも話すことがありましたが、日常会話程度であれば難なく英語を聴き取ることができるようになっていました。

まずは音読やシャドーイングで基礎体力を固めること、これは絶対に必要であることはしつこいですが申し上げておきます。

ニュース英語を聴き取るためには基礎知識も必要

リスニングが難しい理由の一つとして、「単語などの意味をその場で調べることができない」ことが挙げられます。

リーディングならば、英文が印刷された状態で目の前にあるわけですから、分からない言葉があれば最悪その場で辞書を引けばいいのですが、リスニング、特に実際のニュースや会話では、言葉は生まれた瞬間に印字されることなく消えていくわけですから、ミクロレベルでは1文を耳で聴いた瞬間に理解できなければいけません。

また、英語ニュースではある一定の内容がそれなりの長さで話されるわけですから、1文だけの理解では足りません。一つのニュースを聴いたら、そこで全体として何が話されていたのかというマクロレベルでも理解できる必要があります。

そのミクロ・マクロ両面での必要性を満たすためにも、ある程度はそのニュースのテーマについて知っておく必要があります。

あまり身構えることはありません。お天気ニュースを聴き取りたいのであれば天気特有の言い回し、ローカルニュースであれば地名など、その程度から始めても構わないのです。

現に私も金融・経済のニュースは十分聴き取ることができますが、科学関係は聴き取れないことも多いですし、観戦は好きでもルールはあまり知らないラグビーについては英語の中継を見ても何を言っているのかほとんどわからないということもありますから。

もちろん経済・金融であればそれなりの努力は必要になります。こういったことは、リーディングの勉強と並行で先に済ませておいてからニュース英語のリスニングに進む方が無理はないものと考えられます。

実際の学習方法

以上から、ニュース英語のリスニングについてはその前準備の、いわば英語の基礎体力作りとして以下のようなことが必要です。

(1)基礎的な英語力をつける(音読・シャドーイング)
(2)聴き取りたいニュースのテーマについてある程度知る(リーディングや読書)

例えば政治経済、金融や社会情勢であれば、『The Japan Times 社説集』など、まとまりのあるリーディング教材でしかもCD付のものを利用して音読・シャドーイングと並行しながらリスニング練習をやりこめば十分な基礎体力がつくでしょう。

もちろん、『速読速聴・英単語』シリーズなどのように、ある程度幅を持ったテーマの長文を読みながら語彙力を増強することが目的の学習書でも構いません。

まず、語彙力や読解力の増強をし、「生まれては消えていく声」というものに対応できるだけの地力をつけるわけです。

その後は、動画サイトやラジオ、テレビなどを利用して実際のニュース英語の聴き取り練習に入ります。

ここで、実際のニュース英語を聴き始めると戸惑うことに、「話者のクセ」「音便」などといったことがあります。

これらがあるためにリーディング教材のCDは十分聴き取れても、実際のニュースは聴き取れないといったことに面食らうこともあるでしょう。

こういった音便や話者のクセといったものは発音教材を早いうちから使うことである程度対応できるのですが、発音教材についても多くが『スタンダードな標準語』を念頭に置いて作成されていますので、それだけでは対応が難しいと言えます。

ニュースではありませんが私は映画の『ロッキー』シリーズファンなのですが、主演のシルヴェスター・スタローン氏の英語は、特に若いうちは訛りが強く聴き取りにくかった記憶があります。

ニュースにおいてはキャスターやレポーターは標準語を話す訓練を受けているでしょうから良いのですが、コメンテーターやインタビューイーについては必ずしもそうとは言えません。

可能であれば、視聴するニュースは全て録画または録音しておいて、聴き取れない人が話している部分を何度も何度も聴き込むという練習をし、クセのある話し方に慣れると良いでしょう。

英語ニュースのリスニング練習に必要なものや考え方

練習のためにはまず材料となる音声または映像がなければいけません。これは無理にお金をかけなくても、TwitterでCNNなどのアカウントをフォローすれば動画の一部を視聴できます。その他、動画ニュースサイトに登録することも良い方法でしょう。

また、特に慣れないうちはスピーカーで聴くよりも、高いものは必要ありませんのでヘッドホンで聴いた方が良いと思います。スピーカーですとどうしても日常の他の音が聞こえます。ヘッドホンで、「耳元で話されているような感覚」で聴き取り練習をする方が、音便などの省略形やクセを聴き取りやすいのです。

なお、私は英語ニュースを聴き取る練習としてディクテーションまでする必要はないと考えています。どうせディクテーションをしても元のスクリプトが手に入らない場合もありますから、スペルがあっているかなどといったミクロレベルの答え合わせはできません。

それよりも、「頭の中で英語のつづりに変換しながら聴く」「メモを取りながら話の大筋をつかむ」という訓練を数多くしてほしいと思います。

話の流れを簡単なメモに起こし、何度か音声を聴き取っていればマクロ的に「話の全体を理解できていたか」というチェックはできます。

最初のうちは特に長い特集ニュースなどは難しいですが、実は英語の実力は問題を解いているときやリスニングの練習をしている時には伸びません。

リスニングに限らず実力が伸びるのは「答え合わせやチェックをして、自分ができていない部分を探している」時なのです。

ある程度の時間はかかるかと思いますが、あまり気負わず、完璧主義に陥ることなく、継続して練習をしてみてください。

●編集長からひとこと
リスニング上級者の一つの目安として「ニュース英語」を聞き取れること、というのがあります。ニュース英語はフォーマルな英語なので映画に比べれば遥かに理解しやすいですし、非ネイティブであれば、これが聞き取れれば十分なリスニング力を持っているといえます。最初は背景知識が分かりやすい日本のニュースを題材とした学習書(『NHK ニュースで英会話』とか)がおすすめですね。映画(インフォーマルな英語)は…TOEIC満点で英検1級みたいな英語の先生でも聞き取り精度は半分以下というケースがザラにありますので、あまり聞き取れなくても気落ちしなくてもよいです(笑)
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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