学ぶとは、マネることである。

【レビュー】英語語彙大講座:英語の「語彙」を歴史的経緯や他言語との比較で深く理解する研究書

      2018/03/15

英単語というものに焦点を当てて、学術的知識を踏まえながら様々な語彙の成り立ち、そのニュアンスなどを学ぶことができる本です。

英語語彙大講座

様々な視点から語彙を研究した専門書的な本

いわゆる学習用の「単語帳」ではなく、英語の語彙というものを、時に歴史をさかのぼって、時に他の言語との比較をしながら研究していく書籍です。

語彙力を伸ばしたいという人にうってつけの本ではありますが、即時的に語彙力が増えるというものではないので、長期的な力をつけたい人に向けた本と言えるでしょう。例えば試験勉強や英会話の上で役立つ単語を覚えたいという場合であれば別の本の方が効率は良いのですが、時間をとって英単語を研究したい場合には最適です。

接頭語や接尾語、外来語や借用語などを網羅

様々な接頭語、接尾語を学ぶことができるほか、それらがどの言語に由来しているのかといったことも学ぶことができます。その全てが収録されているわけではありませんが、一般的な単語に含まれる接頭語・接尾語を学ぶことができるため、「その語の成り立ち」を理解する下地を身につけることができるでしょう。

様々な接頭語、接尾語やその由来について学習できる
猪浦 道夫『英語語彙大講座』

また、外来語や借用語についても収録されており、多角的に語彙を見つめ直す機会にもなるでしょう。

外来語や借用語についても言及している
猪浦 道夫『英語語彙大講座』

接頭語・接尾語と語幹については一覧にまとめられており、pdfファイルもダウンロードが可能です。

巻末には接頭語・接尾語と語幹の一覧を掲載
猪浦 道夫『英語語彙大講座』

単語の意味の変化など、言語学的な知識をつけられる

単語がどのように変化していくか、逆にある言葉が消滅してしまうのはどういうときか、といったような専門的なことも扱っており、そういう点について知的好奇心がある人、言語学のその分野に興味がある人にとっての入門書となりうる内容となっています。

また、当たり前に知っている単語がどのように成り立っているのかということを学ぶ上で、知っている単語と知っている単語の間にミッシングリンクが存在していたことに気付く場合もあるかもしれません。

英語学習にどのように応用するか

英単語がどのように成り立っているのかということを学んだ上で、それをどのように英語学習に応用していくことができるかについて書かれています。

これは当然、自分が学習する上での指針とすることもできますが、例えば教える側に立つ際にどのように授業を組み立てるかといったことを考える際にも役立つでしょう。また、英語学習以外の言語学習においても応用できる考え方が多く散りばめられているため、あらゆる意味で後学に役立つ内容と言えそうです。

まとめ

  • 短期的・集中的に語彙を伸ばしたいという場合には不向き。
  • しかし長期的に英単語に対する言葉への感覚を磨くには最適。
  • 言葉の成り立ちや構造についても学べるため、深く英単語を味わえる。
  • これまでに気付かなかった繋がりや言葉のニュアンスを掴むことができるようになる。
堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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