学ぶとは、マネることである。

英語講師・Kanaの『受験英語で終わらせない「使える」英語力を身につけるには』

      2018/02/07

大学入試では猛勉強が必要

英語は、大学入試において文系・理系を問わず重視される科目となっています。とくに難関私大や国公立大の二次試験では相当な準備が必要です。

私の出身大学であるお茶の水女子大も、二次試験に英語が必須。私が受験したのはウン十年前ですが…語彙については、受験用単語集を使って徹底的にくり返し学習しました。そして難しいと言われていた英作文は、いわゆる“英借文”方式で乗り切りました。赤本などから出題されそうなテーマを予測し、基本例文をたくさん丸暗記して使いまわすという方法です。また、長文を読むことに慣れ、読む速度を上げることも必要だと考えました。受験直前には長文の問題集を解きまくっていた記憶があります。とにかく必死で、机にかじりついていた受験生活でした。

入試は突破できた、しかし…

そんながむしゃらなスタイルで合格をつかみとった私でしたが、その喜びもつかの間、入学後に試練が待っていました。大学での外国語授業や、ネイティブスピーカーとのやりとりを経験して、自分の英語力、特に話す力の低さにがく然としたのです。

私は受験対策にはかなり時間をかけましたが、英語を実践的に使うトレーニングは行っていませんでした。そのため、私はスピーキングに関してひどくコンプレックスを感じることになりました。難関と言われる入試を突破して、難しい文章も読めるのに、世間話ひとつ気軽に話せない…。大学での英語授業は完全に受け身。コンプレックスを克服できないまま、学生時代を終えたのです。就職してからも、「いや私、英語話せませんから」と言い続け、海外出張の機会も逃してしまいました。

子育て中に英語学習をやり直す

その後、仕事を辞め子育てに専念していた私に、よく幼児向け英語教室や教材の案内が送られてきました。「子供にも学ばせたいけれど、まず私自身がきちんと学びたい」…そう思ったことが、やり直し学習のきっかけです。高校入試用の問題集を試しにやってみると、あちこち間違いだらけ。そこで、中学生向けの参考書で、一から復習してみたのです。

文法と並行して、TV・ラジオ講座の視聴を始め、音読も毎日の日課にしました。子供と一緒に、Eテレの子供向け英語番組も見ました。歌ったり、リズム遊びをしたり、身体も動かしました。黙読ばかりしていた私には、声に出してみることが新鮮でした。おかげで自分の発音もより一層意識するようになり、リスニングの際にも注意深く聞くようになりました。

「お勉強英語」から「使える英語」へ

そして、長文ばかり読んでいた頃と違い、日常会話のやりとり教材が増えていくにつれ、私はあることに気がつきました。理屈で文を考えていては、瞬間的に言葉を出せない。主語と述語をシンプルにぱっと出す、そのためには「単純な反復練習」「慣れ」が必要だ、と。受験英語は頭で理解しただけ。身体が反射的に動くようにトレーニングしないと、実際に使うことはできない…そう気づいたときには、「私に足りなかったものはそれだったのか!」と、一種のショックを感じたものです。練習を続けると、やがて少しずつ会話を楽しめるようになりました。若い頃感じた「話す」ことへのコンプレックスも、いつのまにか薄らいでいました。

四技能を意識して、実践的に学ぶ

ある程度仕方のないこととはいえ、受験英語は「筆記試験さえなんとかできれば…」と知識のつめこみに頼りがちです。ですが今後は、入試に英検など外部試験の導入も予定され、「読む・書く・聞く・話す」の四技能全体が問われるものに変わっていくでしょう。情報を受け取り利用する力はもちろん、発信する能力も要求されることが必至です。

つめこみの受験英語から、実践的英語へ…その道のりは決して楽ではありません。でも努力した人には必ず、何かしらの実りがあるはずです。私自身、話せなかった恥ずかしい過去があったからこそ今の自分がある、と今は思えます。あきらめずにトライしてみると、思いがけない未来が開けるかもしれません。

Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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