学ぶとは、マネることである。

【レビュー】ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス:人気のスピーキング専用教材『瞬間英作文』で会話力の基礎を確立しよう!

      2018/01/31

ベレ出版『瞬間英作文』シリーズ第三弾。パターン・プラクティスを用いて英語の語順に慣れ、英作文力と会話力をあげることができます。

ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス(CD付) (CD BOOK)

根強い人気の瞬間英作文シリーズ

『瞬間英作文』シリーズといえば、ベレ出版の人気の参考書です。著者は森沢洋介氏で、ほかに既刊『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』などがあります。

瞬間英作文とは、簡単な英文を即座に、大量に作るトレーニングのことです。日本語文を見てそれをすぐに英文にするという作業は、実際にやってみると意外に難しいものです。

しかし、慣れてくると徐々にスムーズになり、頭の中に英文を作る回路ができてきます。結果として、英会話力が格段にアップするトレーニングなのです。

パターン・プラクティスとは

では、パターン・プラクティスとはどのような方法なのでしょうか。基本は通常の瞬間英作文と同様、引き金文と呼ばれる日本語文をもとに、英文を瞬時に作ります。そして、今度はその文の一部(主語や目的語、時制など)を変えて別な文にしていくのです。

先行する文の一部を替えながら次々と別のパターンの英文を生成していくトレーニング
森沢 洋介『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』

たとえば、「He goes to America every month.(彼は毎月アメリカに行く)」という文なら、この「毎月」を「先月」に変えてみるという具合です。「毎月」が「先月」に変われば、時制を過去にしなければなりません。すると、「He went to America last month.(彼は先月アメリカに行きました)」になります。

さらに今度は、「行きましたか?」という疑問文を作ってみます。すると、「Did he go to America last month?」になりますね。このように、先行する文を維持しながら、新たな文を無数に作ることができるというトレーニングなのです。

中学英文法の基本事項を網羅

本文は見開き2ページで1レッスン(15文)です。左ページに日本語の引き金文と、変化させる要素の言葉(この本では「キュー」と呼んでいます)、右ページには対応する英文が掲載されています。元の文を記憶しながら新しいキューに入れ替えていくので、最初は難しいと感じるかもしれませんが、“頭の体操”的な感覚で徐々に慣れていきます。

瞬間英作文 パターン・プラクティスのやり方
森沢 洋介『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』

難易度としては中学英語レベルです。ただ、すでに中学の英文法は理解しているものと仮定して作られており、文法の説明等はありません。最低限、肯定文・否定文・疑問文の作り方や時制がわかっていなければ、この本を利用するのは難しいでしょう。

本文は「基礎編」と「発展編」に分かれていますが、両方を使いこなせる目安は英検3級以上、つまり中学英文法の基本事項はほぼ網羅しているということです。中学生でこれがスイスイいけるようなら、高校入試は楽勝です。そこまで到達していないという方は、まずは初級者向けの英文法書で学ぶことをおすすめします。

パターン・プラクティス専用のCDが付属

引き金文(日本語)と対応する英文の発音、キュー(日本語)と入れ替え後の英文の発音が連続して収録されています。このパターン・プラクティスのCDにおいて、日本語のキューを読み上げているのは非常に重要な意味を持っています。このキューがあることにより、最小の日本語のヒントから完全な英文をアウトプットすることができるのです。スピーキング練習用として極めて優れた作りになっているCDだと言えます。

森沢 洋介『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』付属CD(2枚組)

英会話の“苦手感”を克服する

英語の場合は、語順が非常に重要な意味を持ちます。たとえば主語・動詞・目的語…という並び順のルール、あるいは疑問文になったら助動詞が前に出て…というルールなどが明確です。

いっぽう日本語は、そうした「語順」のルールがあいまいで、英語とは異なります。そのため、日本人は英語の語順を組み立てることが苦手でうまく反応できず、とくに実際の会話の場面で言葉につまってしまうのです。

ならばその「語順」の組み立てに習熟すれば、英語はもっと楽に話せるはず。「瞬間英作文」はそのためのよいトレーニングです。

既刊2冊は、続けるうちに例文を暗記してしまいがちですが、『パターン・プラクティス』編では単語の入れかえに頭を使いますので、より実践的な会話に近い練習ができます。この一冊を仕上げるころには、英語の基本的な語順は自由に操れるようになっているでしょう。

まとめ

  • 「瞬間英作文」から一歩進んだ「パターン・プラクティス」を用いたトレーニングです。
  • 中学英語の文法事項は理解済みというレベルの学習者に適しています。
  • 基本例文の一部をどんどん変えて、新しい文を作ることで、英語の語順を自由に操れるようになります。
●編集長からひとこと
瞬間英作文だけが学習書を使ったスピーキングの練習法というわけではないのですが、初級者~中級者の練習法として非常に優れた方法だということは確かです。同著者の「音読パッケージ」も併用して(私自身は音読+シャドーイング+リピーティングを取り入れた音読パッケージに似た練習法をしています)、会話力を高めていきましょう!
Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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