学ぶとは、マネることである。

【レビュー】究極の英語リスニング vol.1:SVL12000の最初の1000語だけ使った平易な英文で始めるリスニング入門書

      2018/01/15

平易な日常語だけを用いてリスニング学習ができるように編集された本です。

[音声DL付]究極の英語リスニング Vol.1 1000語レベルで1万語[最初の1000語] 究極の英語リスニングシリーズ

単語レベルは初級レベルと言って良いほどに低いのですが、そういう単語ほど様々な意味を持ちうるため、決して侮ることはできません。これからリスニングを勉強するという人や、リスニングに伸び悩んだ人が初心に返って勉強するのに良い学習書です。

TOEIC初級から中級、英検なら準2級~2級程度の語彙

大学受験の基礎レベル、TOEIC350〜500レベル、英検準2級〜2級レベルの語彙しか用いられておらず、解説されている単語もその域を出ていません。

大学受験基礎レベルのやさしい語彙のみを使用したリスニング用英文
究極の英語リスニングVOL1_01
アルク『究極の英語リスニング vol.1』

リスニングの勉強をとりあえず始めたいという人や、様々なジャンルのリスニングを手軽に行いたいという人にお勧めの入門書と言えます。

まずはリスニング、それから文章の確認

まず付属のCDでリスニングを行い、それから何を言っていたのかを本で確認するという流れになっています。

リスニングを聞いた後にその内容を確認するための簡単な問題も用意されているため、リスニングを何となく聞いただけで曖昧な理解になってしまうということはないでしょう。

CDリスニングのあとに内容確認問題で理解度を測る
究極の英語リスニングVOL1_02 究極の英語リスニングVOL1_03
アルク『究極の英語リスニング vol.1』

簡単な文章でも油断は禁物

『究極の英語リスニング vol.1』で用いられている英単語は決して高いものではなく、初学者にもちょうど良いレベルであると言えます。

しかし、限られた語彙の中で様々なシチュエーションや表現に対応するため、様々な熟語表現が頻出します。妙にレベルの高い熟語が用いられているわけではありませんが、そうしたものに慣れていないと逆に理解するのが難しいという場合もあるでしょう。

また、収録されている英文はあくまで「正しい文法」に則ったものであるため、「ネイティブはこれだけの英語で色々なことを話している」とは言っても、ネイティブが話している英語そのままを収録しているというわけではありません。この点から、文法への理解が不十分だと内容を間違って理解したりする面もあるかもしれません。

以上を踏まえると、もしも英文の内容の理解が難しいと感じられるなら、「初級レベルの英単語に覚えるべき単語を残している」か、「熟語などに抜け落ちが多い」か、あるいは「文法に抜けがある」とも言えます。それを考慮して、自分の実力チェックとして本書を活用することもできるかもしれません。

難易度別に語数と英文読み上げ速度が異なるリスニング音声

各英文で難易度が「易」「普通」「難」の3段階に分かれています。「易」は200語未満で130語/分、「普通」は300語未満で130~165語/分、「難」は300語以上で165語/分となっています。

他の英会話やリスニング用で同水準(入門用)の学習書では初学者用に短い英文となっていることが多いのですが、本当にリスニング力を高めたいのであれば、初学者であってもこのくらいの長文リスニングに最初からチャレンジするのが望ましいです。

究極の英語リスニングVOL1_CD
アルク『究極の英語リスニング vol.1』付属CD(1枚組)

自分で話したり書いたりするときの参考にも

本書を通じて、シンプルな英語であっても様々なシチュエーションや状況に応じて使い分けることで充分に対応可能であることを学ぶことができます。つまり、実際に自分が話すときや書くとき、どんな風に言えば伝わるのか、シンプルな書き方とはどのような書き方か、ということを学ぶこともできるでしょう。

付属のCDでシャドーイングを行えばスピーキングの練習にもなるため、リスニングだけでなくスピーキングやリーディング、ライティングの勉強も行うことができる良書と言えます。

まとめ

  • シンプルな語彙でリスニングの勉強ができる。
  • シンプルな語彙だからこそ熟語表現や文法に注意。
  • 自分が話したり書いたりするときの参考にもなる。
●編集長からひとこと
SVL12000の最初の1000語だけしか使われておらず、リスニング用としては易しいレベルです。しかし、TOEIC(L+R)で600~730を超えているような中級者でも、特にスピーキングは上手くないケースが多いものです。この本は簡単な語彙を使った日常会話の文章が多いため、中級者以上のアウトプット練習にもとても有効な本だと感じました。我々非ネイティブが話す英語では、ネイティブが使うような難しいイディオムを駆使する必要はありません。このくらい平易な語彙・シンプルな表現を正確に使いこなせるようになれば、十分実用になります。
堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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