学ぶとは、マネることである。

【レビュー】ポレポレ英文読解プロセス50:著名予備校講師・西きょうじ氏による長文読解攻略のための参考書

      2017/11/09

『ポレポレ英文読解プロセス50』は、大学受験生に向けて書かれた英文解釈の参考書です。

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

代々木ゼミナール発行で、著者は予備校講師の西きょうじ氏。多くの受験生に支持されてきた一冊です。

長文読解攻略のための参考書

『ポレポレ』とは、スワヒリ語で「ゆっくり」を意味します。厳しい受験戦争の中でも心のゆとりを持ってほしいという著者の思いから、このタイトルが採用されたようです。

130ページ程度と比較的薄めの参考書ですが、この本で扱われている例題は、国公立大・難関私立大入試レベルの難しい長文です。さっと読んだだけでは意味のとりにくい、複雑な文が50題。まさに「ポレポレ(ゆっくり)」、腰をすえて取り組まねばならない課題となっています。

数式を思わせる読解のアプローチ

本文は「例題」(課題文)、次に「読解プロセス」(解説)、その後「訳例」(全文訳)という構成です。

最後に「本番チェック」として、実際の入試問題での設問が記載され、どこがどのように問われたか、のポイントもわかるようになっています。「参考」として解説を加えているページもあります。

この本では、文の構造を見やすくするために独自のアプローチをしています。例えば接続詞やコンマなどを利用して文章を区切り、数式のように縦に展開するというやり方です。

文を分けて縦に展開すると、対応する語句を揃えることができ、文の骨格がつかみやすくなります。例えば接続詞で結ばれた二つの句や節も、縦に揃えれば対応関係が一目瞭然です。

文章を数式のように縦に展開することで文の骨格をつかみやすくする
ポレポレ英文読解_01 ポレポレ英文読解_02
西きょうじ『ポレポレ英文読解プロセス50』

また、こちらもどこか数式のようなイメージですが、文の要素を意味のまとまりごとにカッコでくくりだすという手法も使っています。こうして挿入句や関係詞を意識することで、主語・述語も明確になり、文の骨格がすっきりと見えてくるのです。

文の要素を意味のまとまりごとにカッコでくくりだす手法
ポレポレ英文読解_03 ポレポレ英文読解_04
西きょうじ『ポレポレ英文読解プロセス50』

難易度を示すライオンマーク

例題番号のところにあるライオンのマークは、難問を表す印です。50題中14問にこのマークがありますので、全体の3割弱といったところでしょうか。

ただし、難問マークがなくとも、決して「簡単」というレベルではありません。無印は「難しい」、ライオンマークは「より難しい」というほうが適切かもしれません。ちなみに出題は難易度順ではなく、英文の長さも例題によってまちまちです。

例題は有名大学の入試問題が多く、センター試験より難しいレベルの単語が多く出てきますが、語句の意味・品詞などの注釈は本文中にはついていません。

読解学習に徹した、上級者向け参考書です。大学受験だけでなく、英検の上位級など、複雑な長文読解が必要な学習者なら、良い助けとなることでしょう。

まとめ

  • 国公立大・難関大受験者向け、英文解釈の参考書です。
  • 本文は(例題・解説・訳)という構成です。語句解説はありません。
  • 英文を区切って、縦に配置していくなど、数式を思わせるアプローチを使っています。
Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

 - リーディング