翻訳者・堂本秋次が教える『自習で翻訳と通訳の技術を向上させるために日々できること』
2017/09/17
質問
翻訳・通訳が出来るようになりたいです。日本語から英語、英語から日本語の両方です。翻訳・通訳の技術を上達させる上で自分で日々、出来る学習法は何でしょうか?
本を読むこと、文章を書くこと、英語を聞くこと、英語を話すことはもちろんでしょうか、翻訳・通訳レベルとして上達させる上でのポイントが知りたいです。
自分でもなんとなく学習はしてるのですが、実際に翻訳や通訳をしてみると思っているほど上手く行きません。何かが足りないのだと思うのと同時に、自習方法に何かコツというかポイントを加味した上でやるべきことがあるような気がしてなりません。よろしくお願いします。
回答(堂本秋次)
まず前提として、翻訳と通訳は別のものと捉えてください。翻訳とは、すでにある資料などを別の言語に翻訳すること、通訳とは会話の間に入って、その場で言葉を別の言語に置き換えて二者(以上)の橋渡しをする役目です。こうなると、翻訳と通訳では必要となるスキルが全く違うのです。
例えば、日本語と英語の間で翻訳を行おうとすると、構文や文法の違いから「翻訳調」などと揶揄される日本語らしくない文章ができることがあります。これは、英語の語順をそのまま日本語に落とし込んでいることが原因だったりします。それで良いこともありますが、基本的には読みにくいものなので、日本語として読みやすい語順や構文に置き換える必要が出てくるでしょう。
一方、通訳(特に同時通訳)では、耳から入ってきた言葉を逐次的に訳し、文章が完了した時点での意味合いが取れているようでなければなりません。つまり、日本語の構文に落とし込むという作業ができないのです。
このように、翻訳と通訳では必要となるスキルが違うのですが、それはアウトプット後の日本語がどのようなものであるべきかに依存しています。そうすると重要なのは、英語の勉強というよりも、むしろ日本語の勉強の方になるでしょう。当然英語の勉強は必須になるのですが、日本語の作文の本を読むなどすると、英語との違いが見えてきて訳出の際に役立てることができるかもしれません。
執筆者

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