学ぶとは、マネることである。

英語講師・Kanaの『英語初心者のための発音学習入門』

      2017/08/14

「発音がよい」とはどういうことか

「発音がいいというのは、なめらかにペラペラと話せることだ」そう思っていませんか?実は「なめらかにペラペラ」は、「発音が良い」と同義ではありません。本当に「発音が良い」というのは、自分の意図する言葉が、相手に間違いなく伝わる音で発せられている、ということなのです。

ひとつ例をあげてみましょう。日本語勉強中の外国人から、「えーと、『お…つち…よこち、よい』って、どういう意味ですか?」と聞かれたら、悩みませんか?……実はその人は、「おっちょこちょい」という言葉を、ひらがな一文字ずつ読み上げていたのでした。

では、「おつちよこちよい!」と一息に発音すれば通じたでしょうか?答えはNOでしょう。大切なのは、ペラペラとスピーディに話すことよりも、正しく認識される音とアクセント、イントネーションを知るということなのです。たとえスピードが遅くても、「おっ、ちょこ、ちょい」と、発音されれば「ああ」とわかりますよね。英語でも日本語でも、ポイントは一緒です。

そもそも、英語と一口にいっても英・米・豪など国によって発音は異なりますし、アジア圏で使われる英語にも特有の訛りがあります。ですから、ネイティブと同じ発音ができない、と劣等感を感じる必要はありません。まずは「通じる発音」をめざしましょう。

外来語の発音にひきずられないように

もう一つの例を紹介しましょう。「簡単な会話すら通じなかった…」と落ち込んでいた知り合いがいました。「Do you like fruit?(フルーツは好きですか)」と聞いたけれど、何度も聞き返されてしまったそうです。

実は、「fruit」という単語の発音は、日本人には難しいのです。「フルーツ」という外来語が定着しているために、そのまま言えば通じるだろうと思っている人が多いのですが、これがくせもの。日本人の苦手な「f」や「r」の音が含まれており、うまく発音できないのです。こうした外来語や和製英語の問題は、なかなか厄介です。

発音が改善すればリスニング力もアップする

私が初心者によく紹介する教材で、『バナナじゃなくてbananaチャンツ』という本があります(CD付き)。これは、「banana」は「バ・ナ・ナ」ではなく、どちらかといえば「ベァネァーネァ」のように発音する、ということを、リズミカルなチャンツで紹介しています。発音が本来のものと違う単語や、通じると思ったら実は和製英語なので通じない言葉、というのが一発でわかります。子供向けの教材ですが、初心者の方なら一度聞いてみることをおすすめします。「えっそんな風に発音するの?」と思う言葉がきっとあるはずです。

バナナじゃなくてbananaチャンツ(CD付) (バナナ じゃなくて banana チャンツ)

発音を知っている単語が増えれば、リスニング力も向上します。ですから単語学習をするときには、スペルだけでなく、必ず音声もセットで覚えるようにしましょう。アクセント位置の確認もお忘れなく。

音読・録音のトレーニングが効果的

正しく発音できているかを確かめるには、英語を使っている人に聞いてもらうのが一番です。英会話スクールやオンライン英会話などさまざまな手段もありますが、いきなりそうした場所に飛びこむのも勇気がいりますね。まずは自主トレとして、音声教材つきのテキストを買い、聞きこんで音読するのが良いでしょう。

レベルは「ちょっと簡単かな?」というくらいで十分です。そしてボイスレコーダーなどで録音して、お手本と自分の声を聞き比べてみましょう。どんな音を出しているのか、どこを強く発音しているのか、よく注意して聞いてください。カタカナ語に影響されないよう、聞こえた音を忠実にマネするのがコツです。フレーズを暗記するくらい練習したら、最初の頃の録音と聞き比べてみましょう。それだけでも、きっと進歩の跡が感じられるはずです。

初心者は、ペラペラをめざすよりも、ゆっくり、はっきり、堂々と大きな声で話すほうが通じやすくなります。うまく言えなくたってかまいません。日頃から音読トレーニングをしておくと、大きな声で発音することに慣れるので、きっとその点でも役に立つことでしょう。トレーニングを積み重ねて、ぜひ実際の会話に挑戦してみてください。

Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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