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【レビュー】AFN/VOAニュースフラッシュ 2011年度版:アメリカ人向けの英語ニュースをそのまま収録した本格的なリスニング素材

      2017/11/04

『AFN/VOAニュースフラッシュ 2011年度版』は主にリスニング教材ですが、収録されている英文が多くジャンルも多岐にわたるため、時事英語のリーディング教材としても利用できます。

AFN/VOAニュースフラッシュ2011年度版 (<CD+テキスト>)

AFN(American Forces Network)は日本に駐在する米軍関係者向けのラジオ放送で、ニュースだけでなく音楽番組やスポーツ中継等も聞くことができます。VOA(Voice of America)は米国政府運営の国営ラジオ放送です。

いずれもアメリカ人向けの放送ですので、収録されているのはネイティブ向けの英文です。

第1章は一つのテーマに異なる立場から触れる

第1章は同じテーマのニュースをAFN、VOAの各報道姿勢から聞く構成になっています。日本語でも英語でも、同じテーマを異なる角度から聞き・読むことで読解力・理解力が高まります。

また、時には一つのテーマに対して例えば「賛成・反対等の立場を決めて読む・聞く」ことで書き手や話し手の意図を深く理解する訓練にもなります。それだけにとどまらず、こうした訓練は更に自分で話すときの構成力を養成する基礎を築くことにつながります。

第1章ではウィキリークス等の当時の時事ニュースから、タイガー・ウッズ夫妻の離婚まで幅広いニュースを扱っています。二つの放送を聞き比べ、読み比べることで読解力・理解力等のいわゆる「受身」の力だけでなく「発信」の力である構成力までも大きく高める効果が得られます。

AFN/VOAの両放送局の英文を聞き比べ/読み比べられる
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アルク『AFN/VOAニュースフラッシュ 2011年度版』

第2章は幅広い分野のニュースに触れる

第2章はそれぞれのニュースから国際情勢、経済・ビジネス、社会、健康、科学、芸能・スポーツ等の分野のニュースを題材に学習する構成になっています。

こちらはAFNかVOAのどちらか一方の内容になっていますが、テーマがアフガン戦争等の国際情勢から2011年当時の映画「ソルト」出演のアンジェリーナ・ジョリーのコメントまで幅広いく収録されています。そのため偏りない分野の英語に慣れ、知識の裾野を広げることができます。また、知らない言葉をチェックすることで語彙力強化もできます。

本書は2011年度版とテーマがやや古いと考える方もいらっしゃると思いますが、この点は気にする必要はありません。特に第2章はテーマが幅広いのですでに日本語で触れたニュースもあると思いますが、英語学習者にとって、「日本語ですでに知っていることについて英語で触れる」ことはテーマになじみがある分スムーズに学習を進められます。

2011年度版は古いが、すでに知っているニュースが多いので学習を進めやすい
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アルク『AFN/VOAニュースフラッシュ 2011年度版』

リスニングを通じて語彙力も強化したい人にお勧め

『AFN/VOAニュースフラッシュ』では幅広い分野のニュースを扱っているので、TOEICスコアが700以上の人でも馴染みのない語彙が多く含まれている記事があります。

英文内容も記者による内容の朗読から対話によるインタビュー形式の記事も含まれているので、主に語彙力やリーディングにはある程度自信がある中級者以上で、リスニングに慣れたい人にお勧めです。

ただし、音声を最初に聞くことを勧めている本書の主な使い方からは外れますが、最初にリーディング教材として使用して収録語彙を身に付けた後、CDで英語のリスニングの強化をするという使用法も可能です。

リスニングが苦手になる原因は「英語を聞いた絶対量が少ない」ことが大きなファクタになりますので、解決の糸口として本書の英文を先に読んで理解した後で音声を聞き込み、英語に慣れていくこともできます。

特に第2章では見開きで語注・訳が確認できますので、このような使い方をする場合はTOEICレベル500位の人でも十分使いこなせます。

まとめ

  • アメリカ人向けラジオ放送を聞くリスニング教材。
  • 第1章では同じテーマに違う視点から触れることで理解力だけでなくスピーチ等の構成力も高められる。
  • 第2章では幅広い分野のニュースに触れることで知識の裾野を広げることもできる。
  • 最初に音声を聞く使い方は中級者以上でリスニング力を強化したい人向け。
  • 最初に文章を読んで理解してから音声を聞く使い方ならば初級者でもついて行ける。
●編集長からひとこと
私も昔、AFN/VOAのニュース英語雑誌のCDを聞き込んでいました。人によっては雑誌形態ではなく、このように1年分をまとめてある単行本の方が使いやすいかもしれません。語注が付いている英文中の単語を番号で対応付けているなど、細かな配慮がなされているのがうれしいですね。レビューに使っているのは2011年度版なので話題は古いですが、勉強用なら気にならないはずです。
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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