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翻訳者・堂本秋次が『検定試験はTOEICと英検のどちらを受けるべきか』という質問に答える

      2017/11/04

はじめに

英語検定試験として様々なものが注目されるようになってきていますが、いまだに英検とTOEICが最も有名でしょう。では、英語を勉強しようと考えたとき、どちらを指針として勉強するのが良いのでしょうか。

そもそも英検とTOEICは何が違うか

英検とTOEICの主な違いを列挙すると、以下のようにまとめることができます。

1. 英検は級が分かれているが、TOEICは受験者のレベルに関わらず全員が同じ問題を受けることになる。
2. 英検は様々なテーマの長文問題が出題されるが、TOEICの長文問題のテーマはニュース記事やビジネスメールなどに限られている。
3. 英検には二次試験があるがTOEICには二次試験がない。
4. 英検のリスニングに比べてTOEICのリスニングには様々なアクセントが混ざっている。

以上を踏まえると、何を目的としているのかによって英検とTOEICのどちらを受験するべきかが変わってきます。以下、目的別に見ていきましょう。

基本的な英語力を身につけるための目標としてなら英検

もしもあなたが英語を勉強し始めたばかりで、基本的な文法や語彙力を身につけたいと考えているなら、まずは英検から始めると良いでしょう。英検3級、あるいは英検準2級の勉強をしながら、英検2級までレベルアップできれば、基本的な英語力を身につけることができます。

英検はレベルがはっきりと分かれているため、自分のレベルにあった勉強をしやすいのが特徴です。参考書も「〇級対策」などとなっているため、自分に必要な知識をピンポイントで吸収しやすいでしょう。しかしTOEICだと包括的に勉強していくことになるため、学び方が遠回りになってしまう可能性があるのです。

また、実際に受けてみると、英検はどの問題を間違えたのかが分かるのですが、TOEICはどの問題を間違えてしまったのかが分かりません。情報として公表されていないのです。そのため、試験後の振り返りをしにくい、という点から、自分に足りていない知識を把握しにくいというデメリットがあります。

対外的なステータスとしてアピールしたい場合はTOEIC

英語の運用能力を対外的にアピールしたい場合は英検よりもTOEICの方が有用な場合が多いようです。それは、TOEICは検定の合否ではなく得点による評価となっていることから、例えば海外赴任を任せるには〇点以上、といったようなボーダーを設けやすいことが理由としてあるのでしょう。

英検2級に合格していたとしても、それがギリギリで合格したのか、それとも余裕をもって合格したのかは分かりません。しかしTOEICではそれが点数として現れるため如実に反映されることとなります。

もちろん、英検も準1級や1級となってくれば、ステータスとしてアピールできるものになってきます。しかし、企業に対するアピールのためだけに受ける検定としては、英検準1級や1級は難易度が高いと言えるでしょう。

英語の実用能力を鍛えたいと考えるならTOEIC?

TOEICではビジネスメールなどを問題として扱っていることもあり、例えばビジネスメールなどによる意思疎通ができるようになりたいということであれば、TOEICの問題の定型に触れたりそれを覚えておいたりするだけでも価値があるでしょう。

加えて、リスニングでは色々なアクセントに触れることができるため、簡単なコミュニケーションをする上での予備知識として有効活用することができます。

また、文章を全部読んで答えるというよりも、問題に対して聞かれている点だけをチェックするような形で問題を解いていくことになることが多いため、実際に英語の文章を読んで必要なところだけ拾う、といったスキルを身につけることもできます。

ただ、英検の方にも二次試験があり、こちらの方が実際に英語で話す場としてはリアルな環境になっています。また、英検で学んだ英語力が通常のコミュニケーションに役立たないのかと言えば決してそんなことはありません。さらに、ビジネスだけでなく幅広い英文や知識に触れることにより、会話の引き出しを多く持つことができる、というメリットもあります。

まとめ

英検とTOEICでは必要とされるスキルも異なりますし、その試験の内容も違うところが多くあります。そのため、受ける側が自分の目標を明確にし、上手に使い分けて受験しなくてはいけないのです。

堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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