学ぶとは、マネることである。

【レビュー】The Economistの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」:最高レベルの読解難易度を誇るイギリスの経済専門誌を素材にして高度な英文読解力を身に付ける

      2017/11/04

The Economistの記事を通して、国際金融を英語で学べるリーディング教材です。同著者の『The Economistの記事で学ぶ「国際経済」と「英語」』の続編となります。

The Economistの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」

国際金融分野を質の高い英語で学びたい方に最適

The Economistはイギリスで発行されている週刊誌ですが、世界各国に多くの読者がおり、日本でも規模の大きい書店やアマゾン、楽天ブックス等のインターネット通販サイトで手に入れることができます。

日本ではTimeやNewsweekほどは読まれていませんが、The Economistの経済記事の質の高さは他誌よりも大変優れたものだと評価する声が多く、ビジネスリーダーや大学教員、経済評論家などに熱烈な支持者がいます。

この本では、話題になることが多く、著者が教えている大学の受講者にも人気があった国際金融が題材となっていますが、The Economistの執筆者は、基本的な経済の考え方をきちんと身に付けており、そのような金融関連の記事についても正確で鋭い分析が至る所で見ることができます。

以上のような読者層や記事の特徴から、『The Economist』で使用されている語彙レベルはとても高く、『Time』『The Financial Times』や『The Wall Street Journal』以上に読みこなすのは難しいと言われるほどです。

しかし、掲載されている記事の中の高度な語彙には、語注がしっかりと付いていることに加え、見開き左ページに英文、右ページに日本語訳という学習者に配慮した構成になっています。

英文記事中の高度な語彙を語注でリスト化、対訳方式で理解しやすい構成
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吉本 佳生『The Economistの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」』

そのため、英語力に自信が持てないビジネスマンやこれから国際金融分野の英語力を向上したいと考えている学生にはうってつけの教材といえるでしょう。

図解付きの日本語解説を理解することで記事を読むための下地ができる

各パートの冒頭には図解でわかる金融論と題した、後の英文記事を読むに当たり重要な背景知識を日本語の文章と図で解説したセクションがあります。パート1では「金融市場」、パート2では「金融政策」、パート3では「国際金融制度」、パート4では「金融工学」と各パートの主題と同じタイトルになっています。

知識の説明の文章では用語の解説が初心者でも分かるように丁寧に書かれているため、文章の量が非常に多いです。しかし、重要なキーワードは太字になっているため、記憶に残りやすくなっています。

理解が難しい金融知識を日本語で丁寧に解説
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吉本 佳生『The Economistの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」』

図解は、文章を読むだけではイメージが湧きにくい内容を理解しやすいようにする役割を担っており、それを見ながら文章を読むことで難しい内容でも飽きずに着いていくことが出来るでしょう。

文章だけではイメージが湧かない内容は図解で理解しやすくしている
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吉本 佳生『The Economistの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」』

学習の初期段階において、英語のみで金融用語を学ぶと負担も大きくなるので、日本語で学び始める方が、遠回りに見えて実は一番の近道なのかもしれません。

金融用語に自信がない人は、まず日本語で金融の基礎知識を身に付けてから記事を読み始めると理解がぐっと早まると言えるでしょう。

英文読解のヒントを利用して英語力アップ

各パートの2つ目の記事の後には英文読解のヒントというコーナーがあり、読解のポイントとなる文法の解説が行われています。

The Economistの記事で使われている文法だけに、その解説も初級者や中級者には難しい内容が多いのではと当初は推測していました。しかし、「few」の用法であったり、「the 比較級…the 比較級… 」の意味の解説であったりと易しめの文法解説が多くを占めています。

The Economistを題材としている割りには基礎的な文法解説が多い
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吉本 佳生『The Economistの記事で学ぶ「国際金融」と「英語」』

もちろん、この本で取り上げられている文法をマスターすれば、The Economistの記事を完璧に読めるようになる訳ではありません。取り上げられている英文法を理解するだけで満足しないで、他の文法書も読んでTOEIC730が獲得できる(英文法について細かい事項を除いて理解している)水準を目指しましょう。

さらに、一筋縄ではいきませんが、金融経済系の用語を日々勉強していくことでThe Economistの記事を読むことに次第に慣れることができるのではないでしょうか。

まとめ

  • The Economistの対訳付き記事で国際金融の学習ができます。
  • 日本語の解説と図解で、記事を読むための基盤となる知識が習得できます。
  • TOEIC730点レベルの文法知識をマスターすることが先決です。
●編集長からひとこと
上級者用のリーディング・ボキャビル素材です。The Economistを題材としているだけあって、TOEICとは比較にならない難易度の長文が掲載されています。英検1級対策用、The Economist入門用としてとても良い本です。The Economistを日本語の雑誌と同じような感じでスラスラ読めるのであれば、読解力や語彙力はネイティブスピーカーの知識人に匹敵するといっても良いでしょう。
dai
早稲田大学社会科学部卒。わずか1年7か月の自習でTOEIC650からTOEIC900に引き上げた。経済・金融系の翻訳者になることを目標に、日々『The Wall Street Journal』『The Financial Times』などの読解に勤しんでいる。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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