【レビュー】英検準1級 文で覚える単熟語:英検準1級に出題される語彙を長文リーディング・リスニングで習得していく一挙両得の参考書
2017/07/12
『英検準1級 文で覚える単熟語』は、旺文社が発行している英検用の参考書です。さまざまな内容の文章に触れながら、英検準1級の合格に必要な語彙を学ぶことができます。
文章のなかで単語を学ぶ方式
『文で覚える単熟語』シリーズは、英検用教材を数多く手がける旺文社から発行されています。「長文を通して文脈の中で単熟語を覚える」というコンセプトのもと、英検1級~3級の各級向けがそろっており、テーマ別の文章とともに語彙を学べます。
※4級と5級は「絵で覚える」方式です。
見開き2ページの左側に英文が提示され、右側には対訳方式で日本語訳が載っています。長文内では重要単語は赤文字で表記され、次の見開きページに詳細が一覧形式で記載されています。
![]() |
![]() |
旺文社『英検準1級 文で覚える単熟語』 |
![]() |
![]() |
旺文社『英検準1級 文で覚える単熟語』 |
長文は「自然・環境」「医療・テクノロジー」「文化・歴史」「教育・心理」「社会・ビジネス」の5つのテーマに分かれており、散文形式だけでなく、対話形式のものもあります。
![]() |
![]() |
旺文社『英検準1級 文で覚える単熟語』 |
各テーマの冒頭には、テーマに関する情報、過去の出題例などが簡単に紹介されています。
![]() |
![]() |
旺文社『英検準1級 文で覚える単熟語』 |
英検準1級合格に必要な1526個の語彙が学べる
英検準1級とは、「社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる」レベルとされ、TOEICなら750~900、大学受験なら最難関大学(東京一工・早慶上智など)合格レベルを上回ります。また、文部科学省が目標とする「公立中学・高校の英語教師に求められる英語力」となっており、かなりハイレベルな試験と言えます。
この参考書に収められている単熟語は1526個です。準1級レベルの単語になると、抽象的な内容を表す言葉がより一層増えてきますし、似たような意味・スペルも多くなります。したがってレベルが上がれば上がるほど、単純に丸暗記するという作業には苦労が伴ってくるのです。しかしストーリーのある文章内で文脈とともに学べば、語句の理解に深みが出て定着の度合いも違います。
そもそも準1級を目指そうというのなら、長文を敬遠するわけにはいきません。面倒がらずに、意識してたくさんの英文を読むことが語彙力のアップにもつながります。
若干遅めのリスニング音声を収録したCDが付属
各長文を朗読したリスニング学習用のCDが3枚付属しています。
音声の速度は約130語/分と、英語学習書としては若干遅めの発音で、発声もこの上なくクリアです。語彙レベルが高い割には構文が素直なので、語彙の意味さえわかれば音声を聞き取って理解するのはさほど苦労しないでしょう。
![]() |
旺文社『英検準1級 文で覚える単熟語』付属CD(3枚組) |
CDを繰り返し聞く、音読をする、シャドーイングをするなど、あの手この手で全英単語を音の記憶、文字の記憶として残していきましょう。
知的好奇心を刺激する長文
掲載されている文章は、知的好奇心をくすぐるような、面白く読めるものが多いです。これらの長文トピックは、たとえばテレビのドキュメンタリー番組や、知的バラエティ番組の好きな人に、とくに向いているのでは……と感じます。社会のいろいろな現象を切り取って、その要因や影響を探っていくというようなトピックが多いためです。
興味をもって読み進めるうちに、長文のエピソードの助けを借りて、単語が記憶に残りやすくなります。たとえば「edible(食用の)」という単語を考えてみましょう。一見、どうということのない単語ですが、「一部の文化ではゴキブリは食用と考えられている」という文章内で出会うと、そのインパクトはかなり違ってきます。それがいいイメージであれ、悪いイメージであれ、印象の強さは記憶の助けになるはずです。どんどん利用してしまいましょう。
単熟語の習得のみならず、長文を読んで読解力の学習に、付属CDを使ってリスニングに……と多目的に使える参考書です。まずは好きなテーマのトピックから、取り組んでみてはいかがでしょうか。
【レビュー】英検1級 文で覚える単熟語:長文の中で高度な英単語を覚えていく旺文社の文脈主義教材
まとめ
- 多彩なテーマの長文を利用して、語彙を効率的に学べます。
- 知的好奇心をくすぐる面白い文章が多く、楽しみながら読めます。
- 長文・語彙・リスニングなど多目的に使える参考書です。
旺文社の『出る順パス単』『文で覚える単熟語』シリーズでは、単語リストに「同意語」が豊富に併記してある点がかなりポイントが高いです(準1級以上)。収録語数は1526語ですが同意語まで含めれば、約3000語以上もの英単語に触れることができます。難しい単語を覚えるには、より平易な同意語に結びつけてしまうのがコツです。また基本的な勉強方法ですが、英単語を覚えるのが苦手な方は「単語リストの各英単語の先頭1文字か2文字」を日本語の横に書いておいて、その文字から元の英単語を思い出して発音する、というトレーニングを導入してみてください。漫然と長文や単語を音読するよりも早く記憶に浸透していきます。
