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【レビュー】英会話タイムトライアル:CEFRレベルでは「A2」とされるNHKの初級者向け英語講座のテキスト

      2017/11/04

NHKラジオ第2放送『英会話タイムトライアル』で使用するテキストです。本巻(2016年5月号)では、英語で手伝いなどを申し出るときのための表現(A Little Help)について学ぶことができます。

NHKラジオ 英会話タイムトライアル 2016年 5月号 [雑誌] (NHKテキスト)

この語学講座はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)では「A2」レベルとされています。TOEIC換算では225点~という極めて基礎的な英語です。

非常に簡単な表現を押さえられるので初学者に最適

スピーキングができるようになることをメインの学習目的としており、基本的なフレーズや汎用性の高いフレーズを多く収録しています。日常的に用いる表現を多く学習することができるので、本書で学んだフレーズは日常ですぐにでも活かす場面が訪れるでしょう。

一方、非常に簡単なフレーズばかりなので、多少英語に心得のある学習者にとってはやや物足りないものであると感じるかもしれません。新しいフレーズや新しい単語、文法を覚えたいという学習者のニーズには合っていないと言えます。

英語の反応速度を高めるための構成

英会話ができるようになることを目的としていることもあり、本書が重点を置いているのは英語での反応速度です。本文では擬似的に外国の人と会話をすることができ、良いイメージトレーニングになるでしょう。英語はそれなりに学んだものの、実際に話すと緊張してしまって本来の英語力が発揮できないという人にもオススメです。

英語での反応速度に重点を置いた構成
NHK出版『英会話タイムトライアル 2016年5月号』

口語で自然な英語を学ぶことができる

コラムや解説として、より自然な英語を話すための知恵が解説されています。例えば、「電車を乗り換える」はchange trainsでも良いですが、transferの方が良い、といったようなことは、なかなか学ぶ機会がないのではないでしょうか。

もちろん、ここで解説されている「自然さ」が必ずしも相手と共有されているかはケースバイケースであると言わなければなりませんが、それでも「自然な英語を話したい」と意欲に燃える学習者にとっては参考にできるヒントにもなるでしょう。

より自然な英語を話すためのコラム
NHK出版『英会話タイムトライアル 2016年5月号』

ラジオとの併用が前提

このテキストの難点として、ラジオとの併用が基本的な使い方になっている点が挙げられます。本シリーズの書籍をタイムリーに追っていければ問題はないのですが、そうでない場合は別売りのCDを購入するなどしなければ、本書のポテンシャルを充分に引き出すことはできないでしょう。

ただし、ラジオの音声が無くても学習は可能です。自分で時間制限などの管理をすることができれば、ラジオなしでもイメージトレーニングには充分な効果があるでしょう。

その他、魅力的なコラムも充実

英語に関する様々なコラムやインタビュー記事の掲載などもあり、英語以外の部分でも飽きない構成になっています。継続的に英語を勉強したいが自学自習だけだとどうしてもだらけてしまうという人は、ラジオに合わせて勉強するのも一つの手です。

まとめ

  • 簡単なフレーズを中心に口語表現を学ぶための本。
  • ラジオ番組と連動しており、実際の会話のイメージトレーニングにも適している。
  • 簡単なフレーズが多いので、上級者よりも初学者向け。
  • ラジオ音源はCDやダウンロードで購入可能。
●編集長からひとこと
NHKのラジオ講座は無料で聞ける点は良いのですが、すでに書店にはCD付きの教材があふれかえっているので、もはや時代にそぐわないなあと感じています。ラジオ講座をリアルタイムで聞いたり、予約するのは面倒くさくないですか?私自身、そもそもラジオを聴ける機器を持っていません(笑)大人しくCD付きの教材を買った方が、はるかに便利で早いです。本書を利用するときも、必ずCDをセットで購入しましょう。
堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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