学ぶとは、マネることである。

【レビュー】英語で歌おう!ビートルズ編:誰もが一度は聴いたことがあるビートルズの代表曲を通じて様々な英語表現を身に付けていく本

      2017/03/23

『英語で歌おう!ビートルズ編』は、ビートルズの有名楽曲を通じて英語表現を学ぶことを目的とする書籍です。単に英語表現を学ぶにとどまらずカラオケの練習にも使える本となっています。

CD付 改訂版 英語で歌おう! ビートルズ編

アルク社の出版で、類書には『英語で歌おう!スタンダード・ジャズ』や『ポップス編(カーペンターズなどを収録)』などが出版されています。

ビートルズの初期~解散までのスタンダードナンバーを収録

ビートルズがメジャーデビューした初期の楽曲から1970年の解散までの期間を通じた有名曲が10曲収録されています。“Yesterday”、”Hey Jude”などは小中学校の音楽の教科書にも収録されていますから、ビートルズファンでなくても少なくとも何度か聴いたことはあるラインナップとなっています。

誰もが一度は聞いたことがあるビートルズの代表曲を多数収録
英語で歌おうビートルズ_01 英語で歌おうビートルズ_02
アルク『英語で歌おう!ビートルズ編』

楽曲ごとに楽曲のアイデア、楽曲作成やレコーディングの裏話、発表後のヒットの状況などが紹介されており、かなりのビートルズファンでも「そうだったのか!」と思うような情報もあります。

ファンでも知らないような楽曲作成やレコーディングの裏話
英語で歌おうビートルズ_03 英語で歌おうビートルズ_04
アルク『英語で歌おう!ビートルズ編』

構成は上記の楽曲解説、英語詞、その曲から学ぶことができる英語表現の解説がワンセットになっています。

初心者でも歌いやすいようにカナを振ってある歌詞
英語で歌おうビートルズ_05 英語で歌おうビートルズ_06
アルク『英語で歌おう!ビートルズ編』

歌詞の和訳はついていませんが収録されている楽曲はビートルズの曲の中でもストレートな歌詞のスタンダードナンバーばかりで、語彙や文脈・詞世界の難解な楽曲は収録されていませんから、あまり英語の学習が進んでいない方も使用に困難はほとんどありません。

英語曲の歌詞を覚えることでとにかく「英語に慣れる」ことができる

収録されている曲の語彙は高くないことから単語力の増強効果はあまりありません。それでも音楽の歌詞を題材にして英語を学ぶ意味は「とにかく英語に慣れること」にあります。

私は中学校までは英語の勉強をほとんどしなくてもテストではほぼ満点を取っていましたが、その大きな理由の一つに幼少時からビートルズを聴き、口ずさんでいたということがあります。

ビートルズのほとんどの曲の歌詞を口ずさみながら自然と覚えてしまっていたので、中学校に入って英語の授業が始まると、「この文法事項はあの曲のあの部分で使われていたな」、「この単語や熟語ってあの曲のあそこで歌ってなかったかな?」という感覚でした。

つまり、「すでに英語として知っていることを日本語の文法理論などとして確認する」のが授業を受ける意味になっており、ついていくことも先取りも全く苦労なく進めることができました。

リスニングについても比較的早口が含まれる曲(収録曲では”Please Please Me”が該当します)に耳が慣れていたので、中学校のリスニングスクリプト程度では全く苦労がありませんでした。英作文についても同じで、問題を見て「あの部分の歌詞のこの単語とこの単語を組み替えたらできるな」といった感じで問題をスラスラ解けていました。

この経験から考えると、ビートルズなどのポピュラー音楽の歌詞から英語を学習する意義として以下のようなものが挙げられます。

  • 日本語で勉強すると面白味がない英文法を楽しく勉強するきっかけづくり。
  • 耳も口も英語に慣れることが簡単にできる。
  • 英語を頭から理解する訓練になる。

こういった効用を得られる勉強法には「音読」や「シャドーイング」がありますが、英語の勉強の最初の段階で音楽を聴きながら英語に慣れるということを行えば、楽しくでき飽きにくく、すんなりと音読などに移行できるでしょう。

ビートルズをお勧めする理由

音楽で英語に慣れることを考えると、以下のような特徴があるために特に英語初心者の方にはビートルズをお勧めします。

  • 文法の基本に忠実な歌詞の曲が多い。
  • 中学校程度の文法知識でほぼ全ての曲を理解できる。
  • メンバー4人とも音便や発音の省略が少ないため、英語に慣れていなくても聞き取りやすい歌い方をする。

通常はCDを買って歌詞カードや詩集と突き合わせて楽曲を聴き込むということになりますが、本書では収録曲こそコンパクトながら英語表現解説もついているため、はじめの一歩のガイドとして最適です。

英語表現解説は単なる文法知識の解説にとどまらず、言い回しの細かいニュアンスや「文法をあえて崩すからこそカッコいい表現になる」というような裏ワザまで紹介されていますので表現や読解力の幅を広げる大きな助けになります。

なお、附属CDは実際にビートルズメンバーが演奏しているわけではありません。ひねりというか、歌い手ごとの独特の歌い方がない素直な歌い方で収録されています。

ビートルズ_CD
アルク『英語で歌おう!ビートルズ編』付属CD(1枚組)

たとえは悪いかもしれませんが、「カラオケに近い」イメージです。楽曲によってはオリジナルの歌い方では歌いにくいものもあります(収録曲では私は個人的にジョン・レノンが歌うTicket To Rideの歌い方では歌いにくいです)。

やや素人感は出てしまいますが、カラオケの練習用としても良いお手本ではないかと思います。シニアから若年層まで「大部分の人が知っている」曲ばかりですから、カラオケのレパートリーの仕込みのために利用しても受けるでしょう。

まとめ

  • ビートルズのスタンダードナンバーを題材にした教材。
  • 英語表現の解説が充実しており、単に文法・熟語の学習にはとどまらない部分まで収録。
  • 徹底的に英語に慣れるための最初の一歩として最適。
  • 楽曲制作の裏話はかなりのビートルズファンでも初耳の話も収録。
  • 「誰もが知っている」曲ばかりのため、カラオケレパートリーの仕込みとしても。
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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