学ぶとは、マネることである。

【レビュー】総合英語One:学校専売品として刊行されていた教材を市販化したアルク社「初」の文法参考書

      2017/02/01

『総合英語One』は、『ヒアリングマラソン』などで有名な語学教育の総合企業、アルクが発行している英文法の参考書です。

主に高校生向け総合参考書

この参考書は、もともと学校専売品として刊行された教材を市販化したものです。対象は高校生向けですので、中学卒業レベルの学習者を想定しています。

内容は、大まかにセクション1とセクション2とに分けられます。セクション1は、「読んで理解」編です。「英語の基本的性質と骨組み」について述べています。そしてセクション2では、「調べて納得」編として、「英語を理解し、使うための様々なルール」が説明されています。

セクション1「読んで理解」編

冒頭の「読んで理解」編は、この参考書の特徴と言える部分です。従来、英文法の参考書といえば、個々の文法事項について詳細に説明がなされた辞書的なイメージがあります。

しかし本書の場合には、そもそも英語というのはどんな言語なのかということを、まず説明しようとしています。個々の文法事項に入る前に、英語のしくみを大きくとらえておくことは、その後の学習に非常に役に立つからです。

また「品詞」や「述語」「修飾」などの言葉がわかっていないと、文法を理解することは難しくなります。セクション1では、こうした部分も再確認することができます。

英語とはどんな言語なのか?を最初に説明している
総合英語One_01 総合英語One_02
金谷 憲『総合英語One』

セクション2「調べて納得」編

いっぽう、「調べて納得」編は、オーソドックスな英文法参考書という感じを受けます。個々の文法事項について、例文を用いて説明を加えるというスタイルです。

「step1:基本」はおおむね中学英語~高校初級レベルの内容で、「step2:発展」はより高度な内容を扱っています。

中学英語~高校初級レベルの「step1:基本」
総合英語One_05 総合英語One_06
金谷 憲『総合英語One』

知識を補足するコラムなども数種類あり、とくに「Close Up!」というコラムでは、重要なポイントが詳しく説明されています。イラストや図も多用されていますが、全体的に落ち着いたトーンで、見やすく編集されています。

重要なポイントを詳細に解説するコラム「Close Up!」
総合英語One_03 総合英語One_04
金谷 憲『総合英語One』

特にセクション1は必読

英語学習に苦手意識のある人は、英語と日本語の根本的な違いというものを理解できていないことが多いです。例えば、日本語では語順についてそれほど厳格な縛りはありませんが、英語の場合、語順はとても重要です。そうした違いをきちんと意識できるかどうかで、英文法の理解には差が出てきます。

セクション1「読んで理解」編は、そのような内容を特に丁寧に扱っていますので、苦手意識のある人ほど必読といえる部分です。セクション1は、ボリュームからすると全体の1割強しかありません。ですが、ここをしっかり押さえておくと、その後の英語力の伸びが違うはずです。高校生向けの本ですが、英語学習をやり直したいという大人にも向いています。ぜひじっくりと読みこんでみて下さい。

まとめ

  • 語学関連講座や教材で実績のある、アルク発行の文法参考書です。
  • 「読んで理解」編では大まかに、「調べて納得」編では細かく文法事項を学べます。
  • 高校生や、やり直し学習をしたい人に適しています。
●編集長からひとこと
意外なことに、アルク社では初めての文法書だそうです。そういえば書店では『キクタン』や『究極の英単語』等の語彙本や、英語雑誌、ドラマや映画関連はありますが、文法書は記憶にないですね。文法周りは大学受験ものに良いものが多く、社会人向けが中心のアルク社では作っていなかったのかもしれません(例外的にキクタンは大学受験向きですが)。
Kana
お茶の水女子大学卒。英検1級、TOEIC910を保有。現在、民間の中学生向け個別指導塾で英語講師として勤務している。確かな英語知識と学習経験に裏打ちされた、分かりやすく丁寧なレビュー記事・コラムが好評。 詳しいプロフィール / 記事一覧

 - 英文法