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翻訳者・堂本秋次が教える『TOEICと英検で必要とされる語彙レベルの違い、また勉強法について』

      2017/10/26

TOEICと英検の語彙は何が違うのか?

TOEICと英検で必要とされる語彙レベルは、検定レベルや目標とする点数が低いうちは特に違いはありません。しかし、レベルが高くなってくると、それぞれに独特な単語が出てくるということもあるでしょう。

具体的には、英検の方がやや学術的な単語に寄っています。これは英検の特に長文では、科学雑誌のコラムのような文章が出題される傾向にあるためです。

このため、基本的な単語はおさえているにも限らず、地質学や歴史に関する長文が出題されたために理解するのに時間がかかるといったことがあります。

ただ、大学受験で必要となる単語の種類がおよそ英検に似通っている上、英検1級であっても専門的な知識や専門的な単語を知らないがゆえに問題が解けないということはないので、あまり神経質になることはないでしょう。

一方TOEICでは、ビジネス上の単語運用がメインになっているため、より日常的な単語が多く用いられる傾向にあります。しかしこれは決して簡単であるということではありません。

例えば銀食器類(silverware)などの、日常的でありながら意外と知らない単語の他、上級になると kosher(本物の)などの口語表現に近いものや、ビジネス上で使うような単語としての invoice(送り状)など、大学受験対策で覚えた単語とはまた毛色の違う単語を覚える必要が出てきます。

それぞれの語彙に対する勉強方法について

それぞれの勉強方法はというと、やはり一般に市販されている単語帳を覚えていくのが良いでしょう。

英検の場合は、自分が目指している英検レベルの単語帳を一通り覚えてから、文書補充問題、長文問題を解くことで不足している単語を身につけていくのがお勧めです。

TOEICの場合も同様で、自分が目指している点数を目標としている単語帳を一通り覚えるのが良いでしょう。

ただ、TOEICの場合は目標としている点数にかかわらず問題の内容は画一ですので、こちらの場合、TOEICの問題を全て解きながら単語を覚えようとすると効率が良くない場合もあります。

空所補充問題や長文問題に焦点をあてた問題集を別途購入し、そこで出てきた単語を覚えていくことで本番に備えるのが良いでしょう。

TOEICの場合、英字新聞で日常的な事件や出来事を読むようにしておくと、口語表現やある程度決まった表現が分かるようになっていきます。

具体的にはTOEICで600点〜700点を取得できた辺りから、『The Japan Times』や、海外のものであれば『Guardian』などの英字新聞を読んでみると良いでしょう。

また、二つの学習法に共通して、必ず一つの単語から派生して二つ以上単語を覚えるようにしてください。元の単語の名詞形、動詞形、形容詞形、類語、反対語、語源などを意識しながら学習するようにすると、単語力は飛躍的にアップします。

例えば、conceive という単語を覚えるとき、concept や conceivable という単語との関連性を見出せれば、さらにそこから conception や unconceivable などまで覚えられます。

逆にオススメできない勉強方法

逆に、あまり効率の良くない勉強方法の例も挙げておきましょう。

それは、例えば英検1級を狙うからと言ってTOEIC990点を目指す単語帳を暗記しようとしたり、逆にTOEICで高得点を狙うために英検1級の単語帳を覚えたりしようとする、という勉強方法です。

すでに言及した通り、英検で必要とされている語彙の種類とTOEICで必要とされている語彙の種類は全く違うものです。全くの無駄ということでは決してありませんが、目標に対して少し方向性がずれた進み方をしてしまう可能性があります。

そのほか、読解力や理解力を上げるといった目的であれば問題ありませんが、単語力を鍛えるために洋書を読む、というのも上手に機能しない場合があります。

特に小説の場合、作者が好んで使っている語彙が必ずしも一般的に用いられる語彙と一致しているとも限らず、時には誤用であることすらあります。そのため、小説で単語力を増やすという段階は、英検1級やTOEICでの高得点を取得したその後の段階であると考えるのが良さそうです。

堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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