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【レビュー】1駅1題 新TOEIC TEST 読解 特急:TOEICを初めて受験するひとに適した長文問題対策本

      2017/01/03

TOEICの長文問題対策として書かれた本で、厳選された語彙と文法により質の高い練習ができるようになっています。

1駅1題 新TOEIC TEST読解特急
TOEICを初めて受けるという人や、長文問題にとにかく取り組みたいという人には最適な本と言えるでしょう。問題数は全部で96問と、コンパクトなサイズの本にしては非常に骨太になっています。

質の高い長文と急所を突く問題で長文力を増強

TOEICの長文問題は、英検などのそれとは異なり、ポスターやウェブサイト、メール、会報、苦情の手紙、チラシなどの日常的な文章が出題されます。こうした文章を速読しながら必要な情報を拾うことが求められているのです。

その対策として「問題を先に読んでから本文を読む」ことを推奨しているものは少なくありませんが、本書ではそれを推奨していません。基本的な読解力や速読力を身につけることを前提としており、それが本当の英語力としての点数に結びつくとしているからです。こうした点から、英語長文の点数を手っ取り早く挙げるためのマル秘テクニックなどは解説されていません。

ポスターやチラシなど、日常的な長文を題材にした問題
神崎 雅哉、TEX加藤『1駅1題 新TOEIC TEST 読解 特急』

問題を解くためのプロセスも解説されている

長文を読んだ後で問題文を見たとき、答えとなる箇所をどのように探すべきかについて詳細に解説されています。すぐに導入できるテクニックもあるので、特にまだTOEICに慣れていない人には参考になるでしょう。

問題を解くためのプロセスを解説している
神崎 雅哉、TEX加藤『1駅1題 新TOEIC TEST 読解 特急』

こうしたプロセスの解説では、いわゆる引っかけ問題に引っかからないためにどのような点に注意するべきか、という点も触れられています。TOEICでは、高得点者とそうではない人を分けるような「間違えやすい」問題が複数出題されるため、予めそういった問題について心構えしておくことは重要と言えるでしょう。

語彙や文法に関する解説は少なめ

必要に応じて語彙や文法に関する解説はされていますが、最小限のものです。そのため、基本的な文法や語彙について心配があるという場合は、本書に取り組む前に別の単語集などに取り組むのも良いかもしれません。

もしも本文や問題文を読んでいて知らない単語が出てきたら、それは重要な単語を覚え損なっていると考えて間違いありません。こうした場合は、自分自身で辞書を引くなどして知識の増強に役立てると良いでしょう。

2つの文章から答えを探す問題にも対応

TOEICの長文問題の特徴として、互いに関連している2つの長文を読み、それに関する問題を解く形式が出題されます。このタイプの問題はTOEIC対策の問題でなければ取り扱っていないことも多く、それに対応している貴重な本であると言えるでしょう。

また、2つの文章をどのように関連づけて考えるべきかについても分かりやすく解説されているため、この出題形式に慣れていない学習者には心強く感じられることと思います。

互いに関連している2つの長文を読んで、問題を解く形式
神崎 雅哉、TEX加藤『1駅1題 新TOEIC TEST 読解 特急』
神崎 雅哉、TEX加藤『1駅1題 新TOEIC TEST 読解 特急』

長文対策の問題集としては珍しく、この書籍には音声ダウンロードの特典が付いています(2016年3月23日現在)。これを利用すれば長めの音声のリスニング対策にもなり、TOEICの出題範囲を広くカバーした対策が可能になります。

まとめ

  • 質の良い問題で構成されたTOEIC対策用長文問題集。
  • 小手先のテクニックではなく実践的な英語力や読解力を鍛えるのに最適。
  • リスニング対策に使える音声データ付き。
堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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