学ぶとは、マネることである。

【レビュー】大人のための知識と教養の英会話:思想・哲学・芸術など幅広いテーマを学習し教養のある英会話を身に付ける

   

 単に英語を学ぶのではなく、英語と同時に(あるいは英語を介して)様々なテーマについて学ぶことのできる本です。基本的な文法事項などは解説されておらず、取り扱っている内容、用いられている語彙共に上級者向けの本であると言えます。

CD付 大人のための知識と教養の英会話

全15からなる興味深いテーマの数々

 宗教・思想、文化・哲学、芸術、食、医療、政治・司法、国家、社会、家族、観光、自然と環境、テクノロジー、科学、ビジネス、経済といった興味深いテーマが盛りだくさんです。どの内容も基本を押さえつつ発展した意見も紹介しています。

様々なジャンルの会話文を対訳形式で学習できる構成
クリストファー・ベルトン『大人のための知識と教養の英会話』

 左側に英語、右側に日本語という対訳式の文章になっており、かつページの下には特筆するべき単語が載っているため、ある程度のレベルがあれば読み進めるのには苦労しないでしょう。文章はいずれも会話文で長さも2ページ程度であり、1つのテーマを短期間で興味深く掘り下げることができます。

章末にはテーマに関連した用語集を掲載
クリストファー・ベルトン『大人のための知識と教養の英会話』

 本文の最後にはグロッサリーがついており、主にテーマに関連した用語を英語で確認できるほか、その意味まで載っています。

 単語自体の意味まで解説している本は少ないため、この点はとてもありがたいと言えるでしょう。そのほかにもテーマに即したコラムも充実しており、気になったテーマを見つけて自分で掘り下げていくきっかけにもなります。

 もちろん、会話上で役立つ表現も学ぶことができ、構成に隙がありません。

高難易度の試験、面接試験、会話の種としても活用できる

 内容はやや高度ですが、しかし日常会話の上で触れられるレベル、または外国の人から意見や詳細などを聞かれることが多い話題があげられていますので、それらのテーマに触れ、自分なりの意見を持っておくと英会話にも役立つでしょう。

 ほか、英検1級などの高度な試験や、英語の対人面接に向けての理論武装に用いるなど、ある程度英語を活用してきた人には必ずどこかで役立つシーンがあるはずです。CDも付属しているため、リーディングだけでなくリスニングの勉強、シャドーイングやディクテーションを活用した勉強もすることができます。

クリストファー・ベルトン『大人のための知識と教養の英会話』付属CD(2枚組)

会話のイメージトレーニングやサンプルとして

 菜食主義や徴兵制など、日本でもますます重要さを増しているテーマがいくつもも取り上げられています。こうしたテーマは日本語では議論できても、英語になると議論できないということも多いでしょう。

菜食主義や徴兵制など一般教養として知っておくべきテーマが満載
クリストファー・ベルトン『大人のための知識と教養の英会話』

 そのような人にとって、実際にそのテーマで会話をしているというシチュエーションのテキストは格好のサンプルになります。せっかくの意見を英語で伝えられるよう、本書を活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 教養のある会話を英語でするための教本。
  • 単に英語を学ぶのではなく、幅広いテーマの様々な意見に触れることができる。
  • それぞれのテーマに対して自分なりに意見を持つようにすると更に良い。
  • 高難易度の試験や面接試験、会話のきっかけなどに活用するのがメインになる。
●編集長からひとこと
 クリストファー・ベルトン氏の教養英会話シリーズは、NHK『実践ビジネス英語』と並んで、日本最高レベルの英会話教材と言っても過言ではないでしょう。TOEICで言えば900点~950点以上を目指す上級者向けです。
堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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