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【レビュー】欧米人を論理的に説得するためのハーバード式ロジカル英語:2種類のエッセイを通して筋が通ったライティング技術を身に付ける本

      2016/10/13

 この本は、5行エッセイと1枚エッセイを通じて、英語で論理的に伝える力を習得できるライティング教材です。『グローバル時代を生き抜くためのハーバード式英語学習法』の続編に該当します。

欧米人を論理的に説得するためのハーバード式ロジカル英語

2種類のエッセイでロジカルな英語を習得する

 全体を通じて、自分の考えとそれに対する理由を論理的(=ロジカル)に英語で伝えることの重要性を説いています。誠実な語り口の文面なので、肩肘張らずにロジカルな英語の概要を把握できるでしょう。

自分の考えを論理的に英語で伝えることの重要性
青野 仲達『欧米人を論理的に説得するためのハーバード式ロジカル英語』

 ロジカルな英語に必要なルールを、2種類の英文エッセイを書くことで習得します。「5行エッセイ」で基本ルール3点を、「1枚エッセイ」で発展ルール7点を学ぶようになっています。これらのルールに付随する英文例と解説は簡潔で、読み手に理解しやすい表現で書かれています。この本を読み込むことで、ロジカルな英語表現への理解が深まることでしょう。

「5行エッセイ」と「1枚エッセイ」でロジカル英語を学ぶ
青野 仲達『欧米人を論理的に説得するためのハーバード式ロジカル英語』

 そして、読み手に理解しやすい英文の書き換え例や、パラフラフ構成に必要な語彙例などが豊富に紹介されています。明確な例題セクションは提示されていませんが、これらの英文・語彙例は、ロジカルな英文を実際に書くためのヒントになります。

ロジカル英語は話す場面でも活用できる

 第3章で、最小の言葉で多くを語るテクニックを紹介します。たとえば、否定を含む語の使用や、「動詞+副詞」から動詞への書き換えなどがあります。こちらも書き換え例の紹介にとどまりますが、簡潔な解説は一読する価値があります。

最小の言葉で多くを語るテクニック(「not」の代わりに「never」を使う)
青野 仲達『欧米人を論理的に説得するためのハーバード式ロジカル英語』

 第4章は、会話で欧米人を説得するための5つの基本ルールを紹介しています。この章は、5行(1枚)エッセイライティングの体得を、話すことにも応用してみようという筆者の意図が伺えます。会話に参加し、相手を動かすための方法を知りたい方には、ぜひ一読をおすすめしたい章です。

会話で欧米人を説得するための5つの基本ルール
青野 仲達『欧米人を論理的に説得するためのハーバード式ロジカル英語』

シンプルな英語表現にこだわった一冊

 本書で取り上げる英文・語彙は、シンプルなものに厳選されています。終章のエッセイ集も、とくに難解な語彙や文構造は見当たりません。

 中学修了から高校初期段階の文法知識があれば、独学で対応できる一冊だと考えられます。したがって、この本のレベルは英検準2・2級以上だと推定されます。

実際に書いて、ロジカルな英語を習得する

 論理的な英語を書くためのルールを英文例とともに紹介しますが、具体的な例題セクションを挙げていません。ルールを習得するためには、実際に書いてみることが大切です。そこで、終章で紹介された題材を選び、実際に書いてみてはいかがでしょうか。書くことは自分の考えを整理するだけでなく、わかりやすく話すための素地にもなります。

 この本は、ビジネス英語向きとも取れます。けれども、大学入試や各種英語資格検定試験などの英文エッセイ対策にもおすすめです。自分の考えをシンプルな英語で、相手にわかりやすく伝えるためのトレーニングとして、一通り取り組んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 2種類のエッセイを書くことを通じて、論理的に自分の考えを伝える英語を習得できるライティング教材です。
  • シンプルな文構造・語彙で書かれた英文例が多いため、英検準2・2級レベルの中級者向けです。
  • 簡潔な英文例・解説の熟読により、ロジカルな英語表現への理解が深まります。
ばーばら
筑波大学大学院卒の高校英語教師、フリーランス翻訳者。大学は教育学部英語科に所属し、大学院では英文ライティングの指導方法を研究していた。現在は英検1級合格を目標に自身の英語学習を続けている。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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