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【レビュー】英検1級 でる順パス単:検定試験では最高レベルの難単語を多数収録した英検1級対応の英単語集

      2017/06/11

英検1級合格レベルの英単語・熟語を、「例文式」式で暗記していくタイプの英単語教材です。かつて旺文社『英検Pass単熟語1級』と呼ばれていた教材の改訂版です。

英検1級でる順パス単 (旺文社英検書)

英検1級の語彙は『Time』『Newsweek』等の英文雑誌や(語彙レベルが高い)洋書を読解するにあたって基礎となる単語です。ネイティブスピーカーの語彙力を目指す学習者にとっては「避けて通れない関門」といえます。

1単語1例文で難単語をひたすら暗記していく

英単語教材の形式は大きく分けて『フレーズ式』(代表:システム英単語、金のフレーズ)、『長文・文脈主義』(代表:速読速聴・英単語、速読英単語)、『例文式』(代表:英単語ターゲット、DUO 3.0)等があります。

どの方式が優れているということはないので、どの教材を使うのかは完全に学習者の好みによります(私自身は『長文・文脈主義』を良く使用します)。『英検1級 でる順パス単』は、このうち『例文式』に該当する教材です。『例文式』の特徴としては、比較的スピーディーに多くの英単語に触れられるという点です。

『長文・文脈主義』の場合は、長文を実際に読まないといけないため、単語力に加えて長文読解力・長文リスニング力が同時に身に付くというメリットがありますが、単語だけ覚えるという観点からは1冊終えるのに時間がかかりすぎるというデメリットもあります。

単語リスト、例文と日本語訳を掲載したベーシックな構成

PASS単シリーズは長年親しまれてきた旺文社の有名教材なので、ページレイアウトはとても洗練されています。

見開き2ページの左側は単語リストとその日本語の意味、同意語・反意語の掲載です。右側は、例文とその日本語訳です。すでに例文式単語帳のスタンダードにもなっている、ベーシックな構成です。

見開き2ページで単語リストと例文を掲載した洗練されたレイアウト
旺文社『英検1級 でる順パス単』

例文中で覚えるターゲットとなる英単語は赤字になっており、付属の赤シートを使えば見えなくすることができるという、細かな工夫がうれしいですね。

難単語だけでなく、難熟語もいける

語彙レベルは当然英検1級で、8000語~1万数千語レベルまでカバーしている印象です。TOEICに換算するなら900~満点クラスとなっています。

同社の『英検1級 文で覚える単熟語』(文脈主義型)と比較すると、収録語彙数が800語ほど多い分、カバーする語彙レベルが全体的に少し高めです。

また、ボキャビルというとどうも「英単語」ばかりに目が行きがちですが、「英熟語(イディオム)」を覚えることも、とても大切です。

デザートとして難熟語もおいしくいただけます
旺文社『英検1級 でる順パス単』

私も昔、イディオム不足に悩んでいたとき、アルク社の『TOEICテスト イディオム基本編・応用編』というイディオムばかり合計2500語以上収録している鬼のようなイディオム本で勉強していたことを思い出しました(笑)イディオムを沢山覚えておくと英会話がとてもラクになりますので、英検1級を受ける、受けないに関係なくひたすら覚えておきましょう。

本書のイディオムはわずか300語ですが、英検1級に登場しそうな難熟語ばかりが掲載されていて、とてもワクワク・ウキウキした気分にさせてくれます。

文脈主義大好きっ子でも使えるのか…?

私のようにZ会『速読速聴・英単語』シリーズや、旺文社『文で覚える単熟語』シリーズなど、文脈主義型の教材を中心にボキャビルしている学習者も多いとおもいます。

その場合でも、上級単語ばかり掲載している本書は有効に活用できます。なぜなら中級単語に関しては、上級の文脈主義教材では見出し語になっていないだけで本文中に時々登場するので、何度も触れる機会があります。しかし、上級単語の場合は各上級教材で1回しか目にする機会がありません。

このようなケースでは『速読速聴・英単語 Advanced 1100』『文で覚える単熟語 英検1級』の長文型デュアル構成で上級単語を目にする機会を増やすという方法がありますが、長文型は時間がかかりすぎてキツイという場合には『英検1級 でる順パス単』のような例文型をサブ教材と位置付けてサクッと復習することもできます。

英単語教材は一つしか使っていけないというルールはありません。同じレベルの教材を複数使うことで、同じ単語を別の例文で何度も見たり聞いたりすることができます。これは、単語の定着度を上げるためにとても有効な方法です。文脈主義教材のファンの方であっても、嫌がらずに例文式も活用してみてはいかがでしょうか。

英検1級レベルの単語を覚える必要はあるのか……?

よく「英検1級」に使われている難単語はネイティブスピーカーでもほとんど見かけない等という話を時々耳にしますが、本当にそうでしょうか?

確かに、メールやWebサイト等の日常的な文章では見かけない単語ばかりですが、英文小説や『Time』『Newsweek』等の英字雑誌では、それなりに見かける単語ばかりです。将来、英文小説・英文雑誌もスラスラ読んでみたいというガチの英語学習者にとっては、英検1級レベルの語彙を習得するのはマストであると言えます。

ただし!『英検1級 でる順パス単』の掲載語を完全に習得したとしても、1冊の英文小説(※小説の語彙レベルはピンキリですが、『Da Vinci Code』あたりを想定)に出てくる単語をほぼ全部知っているというレベルには到達しません。

スラスラとはいってもほぼ全ての単語を知っている状態は非ネイティブには不可能と考えられますので(ネイティブでも無理?)、その場合には大人しく辞書を使うようにしましょう。我々は外国人だということを忘れてはいけません(笑)

例文暗記用のMP3データは旺文社のサイトからダウンロード!

CDはついていません。MP3形式の音声データを旺文社のサイトからダウンロードして利用します。

MP3ファイル1つにつき、10単語分の音声が収録されています。英単語の発音→日本語の意味→例文の発音の順で録音されています。私などは日本語が入っていると、とてもウザいと感じるタイプなのですが、これは好みによるものなので何とも言えません。

※しかし、CDではなくMP3ダウンロードを採用するのであれば、単語発音や日本語の部分を抜いた例文のみの録音ファイルも用意してほしいですが、いかがでしょうか?(→旺文社様)私は英語だけが聴きたいんです……!

いずれにしても、音声データがあれば暗記作業も捗るというものです。修行僧のようにひたすら聞いて、ひたすら黙読&音読して、全例文、全英単語を脳ミソに叩き込んでいきましょう!

苦行ですが、英語学習者であれば誰しも一度は通る道…英語はラクして上達できないということを念頭に、日々鍛錬を積んでいきましょう。

まとめ

  • 英検1級に対応した例文型(1単語1例文)の英単語教材です。
  • 暗記用の音声データはダウンロードで入手可能。
  • クソ難しい単語をたくさん収録しているので、単語マニアなパパも大満足!

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neco_user

本サイト編集長。東北大学大学院卒(工学研究科)のITエンジニア。大学時代は音声信号処理の研究をしていた。好きな著者は『やさビジ』の杉田敏氏、『ALL IN ONE』の高山英士氏。
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