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【レビュー】速読速聴・英単語 Core 1900:現代英語の中核となる英単語を文脈主義で覚えていく必読の英単語教材

      2017/05/06

『速読速聴・英単語 Core 1900』は、Z会『速読速聴・英単語』シリーズの核となる英単語帳です。『速読速聴・英単語』シリーズは、長文の文脈の中でボキャビルを行う「文脈主義」を特徴としています。

速読速聴・英単語 Core 1900 ver.4

同シリーズには、より高水準の語彙を収録した『Advanced 1100』、ビジネス英語に特化した『Business 1200』などがラインナップされています。

英文を読みながらボキャビルを行う「文脈主義」教材のスタンダード

『速読速聴・英単語』シリーズは、文脈の中での語彙習得を目的としています。文脈主義には以下のようなメリットがあります。

1. 語彙が記憶に残りやすい。
2. 実際の英文の中での語彙の使い方も同時に覚えられる。
3. 同じ語彙でも違う使い方があることが分かるため、言語感覚を磨くことができる。

文脈主義でボキャビルを行う場合、どうしてもある程度の長さの英文を読むという過程が必要にります。そのため、単純な英単語集と比べて短い時間での「暗記」という点では効率が劣るように考える方も多いかもしれません。

しかし、ただ単に単語を暗記するのではなく、英文を読むというステップを踏むことには実は大きなメリットが隠されています。

どうせ頻出単語や使用頻度の多い単語は一度覚えても他の英文でも繰り返し登場するので、自然と何度も触れることになり記憶の定着がより進みます。何度も登場する頻出単語は微妙なニュアンスの違いにも注意しながら読んでいくことで、言語感覚も身に付いていきます。

見出し語は1913語となっていますが、前半の65%ほどが100~200語程度の英文の中で覚える文脈主義の構成、残り35%ほどが比較的短い短文や会話文の中で覚える構成で、『DUO 3.0』に近い構成となっています。

「Part I News Articles」は長文の中で単語を覚える文脈主義
速読速聴CORE_01 速読速聴CORE_02
松本 茂『速読速聴・英単語 Core 1900』
「Part II Short Passages」は『DUO 3.0』に似た短文式
速読速聴CORE_03 速読速聴CORE_04
松本 茂『速読速聴・英単語 Core 1900』

英字新聞や英語雑誌を読む際に必須な「核」の語彙を収録

収録語彙レベルは中上級程度になっています。TOEICであればこの本の英文をスラスラ読むことができ、また収録語彙を完全に覚えていればスコア700~800程度は十分に射程圏内です。

実際に英字紙や英語雑誌などを読む際にも、本書記載の語彙を習得することで文章全てを完璧に理解できるわけではなくとも、60~70%程度と思いのほか読み進められるという実感が得られるはずです。これらは上級者を目指す人が最初にクリアすべきハードルです。

TOEIC900以上、英検1級、または『The Japan Times』などの英字新聞を全記事2~3時間以内に読み切るなど、上級者レベルに達するには不足気味ですが、まず『Core 1900』の収録語を習得しておけば、これらの語彙に関連付けて覚えていけるためボキャビルがさらにスムーズに進むようになります。

まだ『Core 1900』が難しいと感じる学習者では、英字新聞を読むのはやや大変かと思います。しかし、我慢しながら継続して学習を完了すれば、取り組む前と比較してかなりの実力が付いたことを実感できるでしょう。

英文読解に自信のない人は『Opinion 1400』の前に本書を

『速読速聴・英単語』シリーズでは、『Core 1900』と同レベルの語彙を扱った書籍として『Opinion 1400』も発行されています。

あくまで個人的な考え方ですが、これから本格的な英語学習を開始される方(もちろん本シリーズの『Basic 2400』や『Daily 1500』程度の英文が理解できる方)であれば、『Opinion 1400』よりも先に『Core 1900』から取り組むことをオススメします。

その理由は、『Opinion 1400』と比較して一つ一つの英文が短く、本格的な長文読解の前の精読練習に向いているためです。家事の合間、仕事の合間のスキマ時間に少しずつ進める方法にも向いています。

英文一つ一つの長さは100~200語程度と短く、何ページにもわたって英文が掲載されているということはありません。基本的に見開き2ページで一つの英文が完結するようになっています。

その一方、『Opinion 1400』の英文は見開きで和訳を含めて4~10ページ分程度とやや長めです。ボキャビルを行ってTOEICスコア700程度の実力をまずつけたい、という方には文脈主義のメリットは残しながら、短い英文の中で効率よく重要語に触れることができる『Core 1900』にまず取り組むのが良いでしょう。

そのため、本教材でボキャビルと並行して英文読解の基礎を固めた後に、収録語彙レベルは同等程度でもより長い英文が収録されている『Opinion 1400』で英文読解に重点を置いた勉強にステップアップする方法がオススメです。

TOEICスコア750以上をクリアしたい方向け

収録語彙レベルは中級者から上級者への橋渡しになるくらいのレベルまでを収録していますから、TOEICスコア700未満、またはコンスタントに750~800程度にまだ届いていない方にとってメリットが大きい教材です。

このあたりのレベルの方は、英文を和訳しないで頭から読んでいくことがまだ十分できない方も多いのではないでしょうか。本書を使って音読とシャドーイングを行うことは、日本語を介さないで英語を理解する直読直解の良い練習にもなるのでお勧めです。

『速読速聴・英単語』シリーズの他の書籍と異なり、この本の英文はスラッシュで切られており、前から順番に理解した場合の日本語訳が「読み下し訳」として掲載されています。

このような読み方をしない場合でも直読直解はできますが、直読直解ができる人の頭の中は日本語に直すとどうなっているのかのイメージ作りには役立ちます。

スラッシュ入りの英文と読み下し訳で直読直解の練習ができる
速読速聴CORE_05 速読速聴CORE_06
松本 茂『速読速聴・英単語 Core 1900』

一方、私もそうでしたが、スラッシュで英文を切って読まない人にとってはやや邪魔と感じることもあるかと思います。そうした場合は、スラッシュや読み下し訳を無視して学習を進めても良いでしょう。

CDにはニュース英語の速度の音声、ポーズ入りの遅い音声の2種類を収録

2枚組のCDのDisk 1は英語圏のニュース放送と同等の150~160語/分の速度で収録されており、通常のリスニング学習に適しています。Disk 2はスラッシュの位置でポーズを入れてあり、速度も100語/分とかなり遅い音声となっています。

速読速聴CORE_CD
松本 茂『速読速聴・英単語 Core 1900』付属CD(2枚組)

最終的にはDisk 1の通常速度の音声をシャドーイングできるようになることが理想ですが、まずはDisk 2の遅い音声でリスニング・シャドーイングに慣れていきましょう。

まとめ

  • 文脈主義の代表格である速読速聴・英単語シリーズのスタンダード。
  • 現実に英語を使う際の「核」の部分を収録。
  • シリーズの中では英文が短めのため、スキマ時間の勉強にも向いている。
  • 中上級者(TOEIC Bクラス 730点以上)を目指す人向け。
さかえ

上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。
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