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【レビュー】英語が会社の公用語になる日:楽天のようにある日突然、英語が社内公用語になったらどうしますか?

      2017/05/21

ある日突然会社の公用語が英語になり、英語を身に付けるために奮闘する社員のドラマです。筆者の工藤紘実氏は、他に同時通訳者の英語ノート術&学習法などの書籍を執筆されています。

英語が会社の公用語

ドラマ仕立てのストーリーの中に、英語の勉強方法が満載

この本は英語の参考書というよりも、英語の学習方法やモチベーションアップの方法を読み取ることが主な利用方法となります。

英語のレベルも英語に対する苦手意識も異なる登場人物が、会社での公用語が英語になった後、どのように日々の仕事を行いながら英語を勉強し目標をクリアしていったか、その中で考え方や日常生活にどのような変化があったかというストーリーです。

前半は段階を踏んでリピーティング・音読・シャドーイングなどの学習法の概要や気をつける点のほか、仕事をしながらどのように時間を作って勉強しているか、などの例が示されています。

ドラマ仕立てですが、特に忙しい社会人には学習方法から時間の作り方、勉強方法の工夫まで参考にする点は多い内容になっています。

各章の冒頭には登場人物ごとの月間スケジュール例が掲載されており、章を進むごとに英語の学習スケジュールといった観点から洗練されていく様子も読み取れますから、どのように月間スケジュールを立てるかの参考にもなります。

信吾の月間スケジュール
英語が会社の公用語になる日_01 英語が会社の公用語になる日_02
工藤 紘実『英語が会社の公用語になる日』

後半では英語でのプレゼンの組み立て方の基本まで解説

後半部分では登場人物の英語力が向上するにつれて英語自体の学習方法の記述は少なくなっていき、そのかわりにどのように自分の考え方を伝えるか、プレゼンの組み立て方や英語と日本語のロジックの違いなどの内容が多くなります。

これは、読者が英語自体の勉強から、「英語を使って勉強する、英語を使って発信する」という上級者レベルに達した状態をイメージするには最適です。

特にプレゼンやスピーチになると、英語自体はできる方でも中々うまくネイティブに伝わるように話を組み立てられないという悩みを持つ人が多いですから、話の組み立て方の基本が分かる点は大きいヒントになります。

また、英語の勉強が進んでいる方には、「どれだけ英語を勉強しても改善点が出てきて、先が見えない」と思われている方が多いと思います。後半部では上級者が陥るこのような悩みに対するヒントもちりばめられたストーリーになっていますから、モチベーションを高める上で参考になる場面が多くなっています。

初心者だけではなく、英語学習に悩みを持つ中上級者までおすすめ

この本は英語自体の収録量は多くなく、いわゆる英語の参考書ではありません。

日本語で記述されたストーリーの中に、英語の学習方法、陥りやすいワナ、学習のポイントやモチベーション維持の方法がちりばめられている構成となっていますから、これから英語を始める初心者の方が、英語学習法の概要を知り、更に自分のステップアップイメージを作るという読み方がおすすめです。

また、実際に楽天株式会社などのように社内公用語が英語になるということは、外資系企業でなくとも今後考えられないことではありません。その際にどのように会社に自分を適合させるか、適合させるだけでなくそのことをチャンスととらえキャリアアップの手がかりとするかといった内容も収録されています。

そのため、学習方法に迷っている、またはモチベーションが低下していると感じる中上級者の方も、息抜きのつもりで読まれることをおすすめします。

まとめ

  • ストーリー仕立てで英語の学習法からプレゼンの組み立て方まで解説。
  • 日本語で書かれたストーリーのため、英語自体の参考書ではなく、勉強方法を知るため、イメージ作りのための使用が初心者にはおすすめ。
  • モチベーション維持の効果や英語と日本語のロジックの違いなど、中・上級者にもヒントになる内容が盛り込まれている。
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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