学ぶとは、マネることである。

【レビュー】今井の英文法教室:受験英語最高の名著と言われる東進ハイスクール・今井宏先生の参考書

      2017/05/14

東進ハイスクール・東進衛星予備校の講師である今井宏氏による、英文法教材です。原則として大学受験生向けですが、社会人にも大いに役立つ本です。

今井の英文法教室 上―大学受験英語 (東進ブックス 名人の授業)

かつて代々木ライブラリーから出版されていた『今井の英文法入門』を改定し、内容を充実させたものになっています。

「英語の決まりだから」「言い回しだから」と逃げない講義

今井宏氏が実際に行っている英文法の講義を本にまとめたものです。私は大学受験生だった時に今井宏氏の授業を取りましたが、思わず懐かしくなりました。

この英文法講義の最大の特徴は、「なぜそうなるか、わかりやすく解説する」ということにあります。

私も本格的に英語の勉強を始めるとき、最初に難解な文法書に手を出し、無機質な解説と膨大な文章量に圧倒されて挫折してしまった経験がありますが、この本では英文法のエッセンス部分を過不足なく、わかりやすく、講義調で解説しています。そのため、飽きが来にくく、挫折しない構成になっています。

特に「これは決まり文句である」、「英語特有の言い回しである」というような言葉は一切使われておらず、ただ覚えろ、暗記しろ、というフレーズがない点に着目して欲しいと思います。

『今井の英文法教室』では、例文を丁寧に分解して、英文法の原則論から考えていくという方式を取っています。例えば「SVOCの文型」では、「OがCだ」という主語述語関係にあることを記憶するだけである、などのように端的かつわかりやすい解説となっており、くどくどと長い説明なしで必要なことが分かるようになっています。

例文を丁寧に分解して英文法の原則論から考えていく
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今井 宏『今井の英文法教室(上)』

実際の講義同様に板書図が収録されており、イメージがわきやすい

「基本文→基本文解説→例題→例題解説」が基本構成となっていますが、必要に応じて実際の講義でも使われている板書図が収録されており、英文法という一見無機質にも思える講義でも、イメージがわきやすいよう工夫されています。

特に大学受験生レベルの高校生の方は、「例えば過去完了形・現在完了形・未来完了形の形はわかるけれど、使い分けはどうするのか」というイメージをまだ十分つかんでいない人も多いかと思います。

そのような文法項目の場合には、適宜板書図が挿入されており、どういうときに過去完了形が使われるのか、などのイメージがはっきりつかみやすくなっています。

板書図を使用した解説でイメージをつかみやすい
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今井 宏『今井の英文法教室(上)』

また、わかりやすいからと言ってレベルが低いわけではなく、かなり高いレベルの文法問題、早慶上智や東大などの難関大学の問題にもこの本一冊+過去問集などでの問題演習で十分対応できる講義内容になっています。

大学受験生だけではなく、社会人にもおすすめ

大学受験では、文系でも理系でもまず英語から勉強することが近道です。センター試験はもちろん、どの大学を受けるにあたっても英語はほぼ必須の試験科目で、配点も高い場合が多く覚えることも多いからです。

そして、本書のまえがきにも書いていますが、外国語として英語を学ぶ際には勉強は英文法から始めることが最も効率的です。多読をするにあたっても、基礎となる英文法知識がないと挫折する可能性が極めて高くなるからです。

この本は原則論からわかりやすく英文法を解説しており、ごまかしのない文法力が身に付く構成になっています。特にイメージがわきにくい項目やわかりにくい項目では、ややくだけた文体の例や記述も入り、わかりやすさへの工夫がたくさん詰まっています。

そのため、大学受験生でこれから英語を勉強する方だけではなく、英語はある程度できるけれどやや伸び悩みを感じている方にもおすすめします。

また、社会人でこれから英語を勉強しなおしたいと思っている人も、あっさりと読める記述になっていますから、本格的な多読やリスニングに入る前に本書を読むことで大きな効果が期待できます。「大学受験のための本だから」と敬遠せずに、手に取って欲しい一冊です。

まとめ

  • 東進ハイスクール講師の今井宏氏の英文法講義を元にした英文法教材。
  • 難解な英文でも分解して、原則論からわかりやすく解説。
  • 高校生で英語の本格的な勉強をこれから始める人や、伸び悩みを感じている人に。
  • 社会人でも英語を勉強しなおす際の最初の一冊としておすすめ。
●編集長からひとこと
私もざっと読んでみましたが、スラスラと読めて大変素晴らしい本です。社会人で英文法を一度勉強したことがある方でも、この本で知識を整理してみましょう。
さかえ

上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。
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