学ぶとは、マネることである。

翻訳者・堂本秋次の『英検準1級を目指すための勉強方法』

      2017/05/11

特に英語が好きで英検を受けたという人にとっては、英検一級は一つのゴールに違いありません。高校までではおよそ英検二級くらいなら取得しているけれど、英検一級を目指してもっと勉強したい、という人は少なくないようです。ここでは、英検一級を目指す上での最初の関門、英検準一級の勉強方法についてまとめてみましょう。

どれくらいの語彙と文法力が必要か?

英検二級に受かった後で準一級の単語帳を見ると、これまでは触れてこなかったような膨大な語彙が並んでいることに気付くと思います。これまでの言葉の言い換えや類語、新しいイディオム、多少の専門用語など、覚えることが急に増えてしまうのです。また、問一の穴埋め問題からして文章が長く、ピリオドまでが長いと読解力が落ちてしまう、という人にとってはまさに地獄の一丁目と言えるでしょう。

しかし、英検二級と比較しても、特別な文法が出題されるということではありません。あくまでそれまでの文法が総動員されて長文となっているだけで、複雑怪奇な文法が用いられている、ということではないのです。

文章のレベルはどのくらいか?

英検準一級からは、やや専門性の感ぜられるテーマが出題され始めます。しかしいずれにせよ、前知識が必須というような文章はなく、しっかりとした読解力があれば解ける問題ばかりです。文章は学習者のレベルを意識したようなぶつ切りではなく、ネイティブな英語に非常に近くなっています。

文法力を身につけ、気長に語彙の増強を

以上のような特徴を踏まえると、英検準一級に受かろうとするならば、より堅牢確実な文法力が必要になることになります。例えば関係代名詞や関係副詞、特殊な構文など、文法事項で漏れがないかどうか今一度確認しましょう。およそ中堅の大学受験レベルの英語学習教材が役に立ちます。ネクステージやフォレストなどで充分にまかなえるレベルです。

語彙については気長に増強していきましょう。新しい単語やイディオムが頻出するかもしれませんが、実際にはほとんどの単語はネイティブが特別な意識をすることなく用いるような単語です。より流暢な英語の運用のために、ぜひここで教養のある英単語を身につけてください。

また、このレベルで要求される語彙力になると、色々な単語間で関連性が見えてくることと思います。今まで知っていた単語の否定形が頻出単語として見られたりする他、新しい接頭語や接尾語の発見もあることでしょう。こうした発見を大事にして、新しい単語を覚える際にはその単語がどういった構造になっているのかにも目を向けると良いかもしれません。

リスニングの難易度

センター試験や英検二級レベルでのリスニングの印象だと、「リスニングの問題はリーディングの問題よりは簡単だが、耳が慣れていないため難しい」というように感ぜられるかもしれません。しかし、英検準一級からのリスニングの難度は容赦がありません。リーディングで出題されるレベルの文法や構文が当たり前のように用いられるものと考えて良いでしょう。

リスニングについては、シャドーイングやディクテーションといったトレーニングの他、市販のリスニング教材を用いてひたすら問題を解くのも良いでしょう。少なくとも一度は、英検準一級対策のリスニング教材を用いて、どういった問題が出るのかといったことやスピード感などに触れておくことをオススメします。

ライティング問題

英検準1級から出てくるのがライティング問題です。テーマが与えられてそれについて意見を書くものですが、慣れていないとここで失点してしまうこともあるでしょう。

この対策としては、普段から使える語彙と文法知識を拡張しておくことが重要と言えます。英語で日記を書く、FacebookやTwitterで海外の人とやり取りをする、といったような機会を存分に活用しましょう。英作文をするときは、まずは文法ミスやスペルミスがないかどうかに気をつけ、自信が無い文法やスペルは別の表現で置き換えられないか試みてください。意外と抜け道があったりするものです。

全体としては、自分の意見を最初に述べ、とにかく分かりやすく書くことが求められています。凝った言い回しや洒落た表現よりも、平凡でも良いのでミスがなく言いたいことが伝わりやすい英作文になるようにしましょう。

二次試験対策について

準一級の二次試験からは、英語で意見を述べる能力が重要視されます。そのため、普段から色々なことについて英語で意見を言えるようにしておきましょう。これについては話し相手が居なくても、頭の中でシミュレーションするだけで効果があります。

単語毎の発音はあまり気にしなくても良いので、フレーズ・センテンスごとにまとまりのあるイントネーションで発話できるように心がけると良いでしょう。文法についても深く気にしなくて良いので、とにかく自分の意見が相手に伝わるように身振り手振りなども踏まえつつ会話ができるようにしましょう。

まず何からするべきか?

英検二級を受験してから準一級を目指す人は、自分がどの程度のレベルで英検二級に受かったかを再確認しましょう。ぎりぎりのレベルで受かったのか、それとも余裕を持って受かることができたのか。

もしもぎりぎり受かったというのであれば、二級レベルの単語や文法を復習してその段階の学習を完璧なものにしておきましょう。余裕を持って受かることができたのなら、文法には大きな穴はないでしょう。語彙の増強と長文の読解を並行しながら、ある程度の語彙力がついたところでリスニング問題の対策を始めるのをオススメします。

最も重要なのは、とにかく継続的に、長期的に勉強する姿勢を持つことです。英検準一級にもなると、付け焼き刃でどうにかなるレベルではありません。自分に足りない能力をしっかりと自覚し、それを計画的に補っていく学習スタイルが求められることになるのです。

堂本秋次
実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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