学ぶとは、マネることである。

【レビュー】シンプルな英語で話す日本史:教養の高いアメリカ人教授が書いた日本史で英文リーディングを学ぶ

      2018/01/07

『シンプルな英語で話す日本史』は、やさしい英語で日本史を解説した英日対訳教材です。The Japan Times社の「英語で話す」シリーズの一つで、同シリーズにはアメリカ史も取り上げられています。

シンプルな英語で話す日本史(英和対訳 CD-ROM付き)

著者のジェームス・M・バーダマン氏はアメリカ人で、早稲田大学文化構想学部の教授職に就いている方です。教養の高いネイティブスピーカーが書いた自然で誤りのない正確な英文を学習できます。

古代から現代までの日本史を英語で概観する

古代の縄文時代から始まり、2013年の東日本大震災直後の現代までの日本通史を収録しています。政治・事件史だけではなく、能や安土桃山文化等の文化史も収録されており、内容は中学校の日本史の教科書に近いものになっています。

日本史年表
シンプルな英語で話す日本史_1S シンプルな英語で話す日本史_2S
ジェームス・M・バーダマン『シンプルな英語で話す日本史』

巻末には西暦で日本史年表が記載されており、英語で日本史を概観できる内容になっています。

日本史を英語で学ぶことができ、構成はプレゼンの参考にもなる

ビジネスマンや経営者が身に付けておくべき教養のアンケート等で、日本史は常に上位に挙げられます。過去の歴史を知ることで将来の予測を立てることができること、また過去の偉人の考え方や業績を現代の自分のビジネスや生活に役立てられることがその理由として挙げられます。

『シンプルな英語で話す日本史』の内容は日本史を概観することを重視しており、ある時代や一人の人物等を深く掘り下げてはおらず、日本史の大まかな流れを解説する内容になっています。社会人が日本史の流れを復習する、または改めて日本史を勉強する入口として適切なレベルです。

シンプルな英語を使って日本史の流れを解説(ペリー提督と黒船来航)
シンプルな英語で話す日本史_3S シンプルな英語で話す日本史_4S
ジェームス・M・バーダマン『シンプルな英語で話す日本史』

英文のレベルも「シンプルな英語で」のタイトル通り、一部高度な語彙は含まれているものの複雑な構文等は使われていません。英語のプレゼンテーションでは複雑な構文を多用すると話の内容が分かりにくくなってしまいます。そのためできる限りシンプルな英文でスピーチ構成をすることがプレゼンテーション上達の方法ですが、本書の英文の構成はそのモデルとしても大いに参考ななります。

また、特にビジネス・観光で日本を訪れる外国人が日本の歴史を聞きたがるケースもあります。日本に来た外国人に旧跡の案内をしたり、日本人の考え方の基本を説明したりする際にも英語で歴史に触れておくことは大いに助けになることでしょう。

日本史を勉強していた人、教養として勉強したい人にお勧め

本文の構成は左ページが英文、右ページが和訳、重要語彙は太字で対応、右ページ下部で解説している表現は下線とシンプルな構成になっています。

読みやすい「対訳形式」のページ構成(江戸幕府の成立)
シンプルな英語で話す日本史_5S シンプルな英語で話す日本史_6S
ジェームス・M・バーダマン『シンプルな英語で話す日本史』

すぐに和訳と対応して読むことができるので、特に受験等で日本史を勉強したことのある人や日本史に興味のある人にはなじみやすい教材と言えます。英文の構文や論理の構成もシンプルですので、英語の本格的なリーディングをこれから始める方から使っていけるレベルです。

TOEICのスコアで600点以上を取れる人であれば、わからない語彙があっても和訳や語句解説と対照しながら読むことで特に問題なく進めていくことができます。

上級者でも普段ビジネス誌や経済紙等を中心に英語を勉強している人が、教養の幅を広げ、日本人として英語を話すことに深みを持たせるためにも一読されることをお勧めします。既述の通り英文はシンプルで内容も中学生の日本史教科書程ですので、上級者であれば特に時間をかけずに最後まで読み切ることができるでしょう。

まとめ

  • 日本史を古代から現代まで英語で概観したリーディング教材。
  • 教養としての日本史を英語で学ぶことができる。
  • 構文や話の構成がシンプルでプレゼンの参考にもなる。
  • 日本史を勉強したことのある人や日本史に興味のある人にお勧め
●編集長からひとこと
構文は平易なものが多く読み易いですが、語彙は中上級~上級レベルのものが時々出てきます。TOEIC上級者でも「鎖国 (national seclusion)」等の日本史特有の用語はパッと思い浮かばないのではないでしょうか?語彙力のムラをなくす目的でも良い本だと感じました。
さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

 - リスニング, リーディング