学ぶとは、マネることである。

元・上智大生 さかえが教える『英語を英語のまま理解する土台を作れる音読学習』

      2017/05/21

英語学習における音読とは、「英文を見ながら、声に出して読む」ことを言います。音読は単なる発音練習ではなく、以下のような効果を得ることができます。

音読の効果

英語を英語のまま理解する土台を作る

日本人が英語を読む際、英文和訳の癖がつき過ぎていて英語の後ろから日本語に訳していく「返り読み」に陥りやすいと言われます。これでは実際の英語の会話を行う際に会話のスピードについて行けないばかりか、英文を読むスピードも上がりません。意味を考えながら行う音読では返り読みができなくなりますので、英語を前から順番に理解していく土台作りになります。

スピーキング力、リスニング力の向上

中学高校等の授業では、最近はスピーキングやリスニングの割合が多くなっているとは言われていますが、いまだに英文和訳が中心となっています。英語に苦手意識を感じる原因は、圧倒的に「英語を口に出して話した量」と「英語を聞いた量」が不足していることにあります。音読によって自分の口から英語を話し、さらにそれを自分で聞くことにより、これらの量的な不足を補うことができます。

語彙が雪だるま式に増えていく

音読をすると文章の中で知らない語彙がいくつも出てきます。これらの意味や発音を調べ、何度も音読する中で語彙はどんどん増えていきます。また、頻出語や多義語は様々な英文に触れるうちに何度も目にすることになりますので、単語の理解に深みも出てきます。語彙は文脈の中で覚える方が忘れにくいので、音読によって単調な暗記に陥らない語彙力強化ができます。

さらに、後ほど述べますが音読では同じ英文を何度も読むことになりますので、自分の中の英文ストックが増えていきます。この結果、瞬間的・反射的に言いたいことを英語で話し・書けるようになる効果もあります。

音読のやり方

音読をする際の英文は、最初に辞書を引いたりして精読し、語彙の意味・英文の構造を把握しておきます。その後、最初はゆっくりでかまいませんので声に出して読んでいきます。目安としては概ね1文章20回程度繰り返すと良いでしょう。もちろん1日で20回も読む必要はありません。音読する英文を持ち歩いて、仕事・家事等の息抜きとしてや、TVのCM中等に1、2回やる。これを繰り返して回数を積み上げていきます。

なお、最初は速さにこだわらず、ゆっくりでかまいませんので、英文の意味を理解しながら正しい発音で音読することを心掛けてください。CD付の教材を音読用に使用するのであれば、CDを聴いて発音やリズムの真似をして2~3回音読してみてから、回数を積み上げると良いでしょう。また、電車の中等、声を出せないようなところでは、口だけ動かして声を出さないで行う方法があります。

教材の選び方

音読は声に出して読むスピードを自分の任意に設定できる点、テキストを見ながら行う点でシャドーイングやリピーティングより負担が少ないといえます。裏を返せば、他の学習法よりも難易度の高い英文を扱うことができる学習法でもあります。

上級者であればまずThe Economist等の大人向け専門誌や英字新聞を購入する方法があります。その他にもTwitter等で英字新聞等のアカウントをフォローする、英語誌のアカウントに登録する等しても良いでしょう。全部を音読すると負担が大きいので、例えばカバーストーリーだけ、興味のある分野だけ、等のように範囲は絞ります。

初学者や中級者ではいきなりこれに挑戦するとあまりに難易度が高く挫折してしまいますので、例えばZ会の速読速聴・英単語シリーズや、TOEICリーディング対策教材等を音読して基本的な土台を作ってからにしましょう。

音読は何度も繰り返すことなので、今の自分の語彙力レベルよりも少々高いものを選びます。目安としては辞書等を使わずに一読してみて40%~50%程度意味が取れる英文を選ぶようにしましょう。40%~50%程度の理解度の英文を読み続けるのは少々厳しいですが、このやり方をすると語彙力が飛躍的に伸びていきます。

音読学習向き推薦図書

音読学習は基本的にテキストさえあればどのような教材でも実践可能ですが、定番と言われる書籍をご紹介します。

速読速聴・英単語シリーズ(Z会)

速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3
学生向け通信教育で有名なZ会の教材です(全6巻)。初級の『Basic 2400』から超上級の『Advanced 1100』まであり、自分の英語レベルに合った教材で学習することができます。全巻にCDが2~3枚付属しており、リスニング学習にも使用できます。特に多読により語彙力を鍛えたい方に向いています。

ALL IN ONE(リンケージクラブ)

ALL IN ONE
一冊で英単語(熟語)、英文法(構文)、語法、リーディング、リスニングを全て同時並行で学習できる良書です。各例文で英単語や語法の重複率を低くし、最小限の例文数で数多くの英単語、文法等を学習できます。大人のやりなおし英語に特に適しています。

英語の勉強法をはじめからていねいに(東進ブックス)

英語の勉強法をはじめからていねいに (東進ブックス TOSHIN COMICS)
音読学習そのものについてより深く知りたい場合にお勧めします。著者の安河内哲也先生は東進ハイスクールの名物講師で、「今でしょ!」の林修先生の同僚です。マンガで音読学習全般について分かりやすく解説されています。

さかえ
上智大学法学部卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。TIME誌、Newsweek誌は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

 - ピックアップ記事, 英語学習法